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種の起源と生物進化

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2012年1月6日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

小型GTP分解酵素の系統樹と真核細胞の進化: Small GTPase and the evolution of the eukaryotic cell

図1:小型GTP分解酵素の系統樹から、真核細胞の進化においてはまず外分泌システムが発達したと示唆された。RAS超遺伝子族によってコードされる小型GTP分解酵素は、真核細胞において、細胞内骨格ダイナミクス、小胞体運搬、核機能の制御をつかさどる重要な役割を果たしている。Sar1、Arf、SRβ、Rab、Ran、Ras、Rhoを含む小型GTP分解酵素の遺伝子の系統樹を構成してみると、Sar/Arf/SRβ遺伝子族が最初に分岐し、核機能を制御するRan遺伝子族の分岐がその後、食胞機能をつかさどるRab/Ra…

2012年1月2日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

大型類人猿の祖先におけるセグメント重複バースト

図1: セグメント重複バーストが人類・チンパンジー共通祖先とゴリラの分岐(600-800万年前)以後に始まっている。一方、東アフリカ大地溝帯の形成は約1,000万~500万年前に始まった。全ゲノムの比較から、大型類人猿においては、塩基配列セグメントの重複の頻度が他の霊長類よりも4-10倍高いことが分かった。(Johnson et al. 2006; Marque-Bonet et al. 2009; Marque-Bonet et al. 2009)。このセグメント重複バーストは、人類・チンパンジー…

2011年12月21日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

海綿類のシリカ鉱化に関する二つの遺伝子の起源: Origins of two genes related to the silca biomineralization in Sponges

普通海綿綱と六放海綿綱の主な骨格要素はアモルファスシリカでできた針状骨である。特に、普通海綿類は、シリカ骨格の合成を触媒する(Shroeder et al. 2007)。単量体シリカからシリコーン繊維への重合反応を触媒するシリカテイン(silicatein)と呼ばれる酵素は、カセプシン(capthesin)によく似た構造を持っているが、他のカセプシン族はシステインタンパク分解酵素ではあるが、シリカ重合能力はない。最もよく似ているカプセシンLは、人間においては破骨細胞で発現している。反対に、シリコーン…

2011年12月21日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

紫外線フィルターとしての生物鉱化外殻: Biomineral Outer Shell as an UV Filter

Cyrtoidea” from Ernst Haeckel’s Kunstformen der Natur, 1904多くの生物は鉱化外殻を持つ。現生の生物では、円石藻、有孔虫(炭酸カルシウム)、珪藻、放散虫(シリカ)などの植物プランクトンが美しい外殻を持っている。また、サンゴ類(炭酸カルシウム)や海綿類(シリカと炭酸カルシウム)の外殻を作っている。光合成をする水生生物に外殻を持つものが多いように思われる。水中に豊富にある重炭酸イオン(HCO3-)の利用が、必然的に炭酸塩の析出を促すことはすでに論じ…

2011年12月13日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

細胞内輸送システムと真核生物の共通祖先: Intracellular Transportation System and Last Common Eukaryote Ancestor

図1:モータータンパクは核酸スイッチに起源をもちGタンパクと同根である(Vale R.D. and Milligan R.A. 2000, Science, 288, 88-95)Erickson et al. 2007にしたがって、細胞内輸送システムに関連する遺伝子の進化について議論する。真核生物の細胞内輸送は、レール繊維とその上を動くモーターで成り立っている。レール繊維は、主にチューブリンとアクチンが使われている。前者は細胞分裂に、後者はその他の細胞内物質輸送に使われている。モーター分子は、いろ…

2011年12月10日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

内骨格の起源: Origin of endoskeleton

骨芽細胞を含む燐酸カルシウム生物鉱化に関与する細胞は、体表起源だと思われる。生物鉱化は、まずシアノバクテリアで重炭酸イオン(HCO3-)を光合成に利用するために発達したと考えられる(Arp et al. 2001; Jasson and Northen 2010)。水中では、二酸化炭素溶存量が多くないので、水中光合成生物には、より豊富な重炭酸イオンを炭素源として利用したいという要求が常に存在する。そこで、シアノバクテリアは、以下のような炭素濃縮機構が発達した。まず、重炭酸イオン一個を体内吸収して、体…

2011年12月10日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

海の透明化による外骨格とカメラ眼の発明

1)動物の発達による海洋透明化エディアカラ期に至って、有機物をこしとる動物が発生。糞粒および死体による海洋の表面、海底への有機物流量増加。海洋表面の大きな体積(数メートルから数十メートル)が可視・紫外光に対して初めて透明になった。同時に底に落ちてくる有機物を食料にするスカベンジャー生態系が海底に発達。脊索動物の祖先は、その中で生まれて生活していた。2)海洋透明化により日よけとしての外骨格の発達海洋表面近くでは、藻類の光合成により酸素に富み(マクロガイア成立)動物の大型化が可能になった。日の当たる暮ら…

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著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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