海綿類のシリカ鉱化に関する二つの遺伝子の起源: Origins of two genes related to the silca biomineralization in Sponges

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普通海綿綱と六放海綿綱の主な骨格要素はアモルファスシリカでできた針状骨である。特に、普通海綿類は、シリカ骨格の合成を触媒する(Shroeder et al. 2007)。単量体シリカからシリコーン繊維への重合反応を触媒するシリカテイン(silicatein)と呼ばれる酵素は、カセプシン(capthesin)によく似た構造を持っているが、他のカセプシン族はシステインタンパク分解酵素ではあるが、シリカ重合能力はない。最もよく似ているカプセシンLは、人間においては破骨細胞で発現している。

反対に、シリコーン繊維の脱重合を触媒する酵素も発見されていて、シリカーゼ(silicase)と名付けらた。シリカーゼは炭酸脱水素酵素(carbonic anhydrase)と類縁関係があり、亜鉛を補酵素として要求する。炭酸脱水素酵素は、炭酸カルシウムの生物鉱化に普遍的に用いられている。

シリカ鉱化にかかわっているこれらの酵素は、シアノバクテリアをはじめとする細菌から共生を通して普通海綿綱生物に水平伝搬したと考えられる。シアノバクテリアの対応する酵素が単離すれば、上記の遺伝子との類縁関係が明らかになるだろう。

海綿の針状骨は光学ファイバーとして機能する。実際、体内奥深くに共生しているシアノバクテリアに光を伝送している(Bruemmer et al. 2008)。

1)Shroeder H.C. 2007, Silicateins, silicase and spicule-associated proteins: synthesis of demosponge silica skeleton and nanobiotecnological applications, Porifera Research: Biodiversity, Innovation and Sustainability, 581.
2)Bruemmer F., 2008, Light inside sponge, 2008, Journal of Experimental marine Biology and Ecology, 367, 61-64.