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種の起源と生物進化

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2012年3月23日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

有袋類の北米起源:North American origin of marsupials

ユタ州の白亜紀アルブ期(1億1200万年-9960万年)の地層から出土した下あごの骨は、特徴的な歯の発達状況から、有袋類のものであることが分かった。一方で、デルタルディウム(Deltatherdium)類は、原始的で有袋類とは無関係と分かった。この結果、初期の有袋類化石は、北米大陸に限られることになった。南米における化石の証拠などを合わせると、有袋類が北米起源であることがあきらかになった(Cifelli 1993)。この有袋類は、南極大陸(当時は温暖だった)を通って、オーストラリア大陸に伝搬したと考…

2012年3月22日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

かんきつ類のの起源と進化: Origin and Evolution of Citrus

アフリカとインド亜大陸の分裂時(7500万年前)に分岐したCitropsis属がアフリカで存続(中南部のコンゴ、ウガンダ、モザンピーク)、Pleispermium属(南インド、スリランカ、東インド諸島に分布)を含めたかんきつ類の共通祖先が、インドで存続した。後者は、インドのアジア衝突(4500万年前)でユーラシアに持ち込まれ、アッサムでかんきつ類として成立した(2000-3000万年前)、実際、かんきつ類の原種とされるCitrus Latipesが野生でインド北東部に分布している。かんきつ類の成立は…

2012年2月19日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

放射線被爆を受けた親の子孫の細胞におけるゲノム不安定について

Dubrova 2006は、放射線被ばくした親の子孫におけるゲノム不安定についてしらべた。放射線被ばくした動物の子孫に、癌疾病の増加と体細胞および生殖細胞の両方のゲノムの不安定が示された。変異率の有意な増加が、最初の放射被爆から少なくとも20-40回の分裂後まで見られる。この不安定性には、エピジェネテックス機構が関与しているようだ。親のDNAのメチル化がこの不安定を子孫に伝達していると考えられる。多くの研究が、DNAのメチル化がエピジェネテックな変化の鍵を握る機構であることを示している(Baulec…

2012年2月19日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

カルシウムを含む物質の生物鉱化作用の進化シナリオ:A possible scenario for the evolution of the biomineralization of calcium containing materials

炭酸カルシウムやリン酸カルシウムのようなカルシウムを含む物質の生物鉱化作用の獲得は、動物にとって重要である。その進化シナリオについてまとめてみた。1)炭酸カルシウムの生物鉱化作用が、光合成の炭素源獲得機構の副産物として獲得された:シアノバクテリアの光合成における炭素源として重炭酸イオンを利用するときに、炭酸カルシウムが合成される。この硬い外殻は、外部からの脅威(捕食者、波のような力学的な力、そして乾燥)からだけでなく、有害なUV-B紫外線放射(波長280-312 nm)から、内部の生物体を守る働きを…

2012年1月15日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

真核生物の鞭毛装置の起源:Origin of the eukaryote flagellar appratus

真核細胞の鞭毛(flagella)は、鞭毛それ自身が能動的に屈曲して運動する能力を持っている。300以上のタンパク質が集まって鞭毛装置(Flagellar Apparatus)が構成されている。その中心には、9+2構造と呼ばれる特有の構造を持つ軸糸(axonome)があり、チューブリン繊維の間にモータータンパクのダイニンが結合している。そのすべり運動で鞭毛の屈曲が作り出される。真核生物においては、鞭毛装置は、多くの真核生物において、視覚、聴覚、機械刺激の感覚器としても使われている。鞭毛の起源について…

2012年1月12日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

脊椎動物の組織鉱化の進化: Evolution of Vertebrate Tissue Mineralization

図1左 組織鉱化に多種類の外分泌性カルシウム結合性リンタンパク質(Secretory calcium-binding phosphoproteins: SCPPs)が関与している。哺乳類、鳥類、両生類のこれらのゲノムの相互比較から、SPCC遺伝子の系統樹が作成されその重複の歴史が解明された(図1)。骨/象牙質のSCPPであるSPARCL1、エナメル質のSCPPs(AMBNとANAM)、そしてミルク/唾液SCPPsは、この順でヒトの染色体4に位置している。一方、SPARCは染色体5に位置している。図2…

2012年1月10日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

真核生物の起源:微生物マット社会の裏切り者: Origin of eukaryote: a social cheater in a biomat

図1:さまざまな粘液細菌の微生物マット微生物マットは、細胞から分泌された基質で覆われた単一もしくは複数の微生物種の集団によって構成されており、以下のような明解な発達サイクルを持つ。微生物マットは一つの細胞が固体表面に接着することから始まる。この細胞は細胞外基質を分泌しつつ増殖して成長する。最終的には成熟して、層状の構造が発達する。つまり内層と外層では細胞の形態と遺伝子発現パターンが違うようになる。成熟した微生物マットの中には栄養と水分を交換するための通路ができる。成熟した微生物マットからは芽胞が放出…

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著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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