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戎崎の科学は一つ

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人類の起源

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2014年11月15日 / 最終更新日時 : 2023年5月3日 戎崎 俊一 人類の起源

人類の持久走力

人類の特徴として大きな脳を持ち、道具を作り、複雑な認識ができることが強調されているが、運動能力をみると、強さ、パワー、器用さ、速さのどれを見ても他の動物(親類筋にあたるアフリカ大型霊長類を含めて)見劣りがする。人類は、弱く、遅く、不器用な生物である。典型的な現代人よりかなり軽いチンパンジーでさえ、より大きな力を出せ、より速く走り、そして器用に移動する。素手でチンパンジーと戦ったら、ヒトは一人も勝ち残れないだろう。しかし、Lieberman et al (2009)によると、ヒトはパワーや強さでは他の…

2014年7月2日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 人類の起源

キビシュ人類化石出土サイトの微小層序:Microstratigraphy of the Kibish homin sites

人類化石Omo IとOmo IIの出土場所の調査は2002年の1月と2月に行われた。Omo Iの出土場所では、徹底的な発掘が行われた(Feibel 2008)。残された化石と石器の採集と同時に出土場所の微小層序の調査がその主な目的である。キビシュ層群はさまざまな階層の浸食を示している。最も大きな不整合は、キビシュ層群の基底にあるもので、ツルカナ湖の湖水レベルの低下によるオモ層群の堆積停止とツルカナ層の堆積の間の、10-100kyrにわたる浸食を示している。次に大きな不整合は、1-10kyrの浸食を示…

2014年6月28日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 人類の起源

エチオピアのキビッシュ層群の層序学と年代:stratigraphy and age of the Kibish formation Ethipia

エチオピアのキビッシュ層群の部層Iから出土したOmo IとOmo IIの人類化石は初期のホモ・サピエンスと考えられておりその年代は196kaと推定されている。部層Iのナカアキレタフの直接年代は196±2 kaであり、部層IIIにあるアリヨタフの年代は104±1 kaである。これらが上限と下限を与える。実際の化石年代は同じ部層の下にあるナカアキレタフに近い年代を持つと考えられてきた。両者の間にあるKHSタフの年代を推定することが、この化石の年代の下限を押し上げるために重要である。これまで、キビッシュ層…

2014年6月25日 / 最終更新日時 : 2023年4月18日 戎崎 俊一 人類の起源

エチオピア地溝帯のガデモッタ層群年代と最古の中期石器時代:The Earliest Middle Stone Age in the Gademotta Formation, Main Ethiopian Rift

アフリカにおける初期中期石器時代(130Ma以前)の研究は、人類の「現代的」行動様式の始まりを理解する意味で重要である。特に、ガデモッタ層群から得られた中期石器時代の石器は最も古い年代(276±4ka)を持っている。エチオピア地溝帯の中では、軽石と火山灰を伴ったアルカリもしくは過アルカリ流紋岩的溶岩流とドームが、後期ケイ酸質火山活動の特徴となっている(Di Paola 1972)。これらの溶岩は、後期鮮新世から中期鮮新世にかけての時期に噴火し、そのいくつかはカルデラ跡を残している。ガデモッタ尾根はそ…

2014年6月24日 / 最終更新日時 : 2023年4月18日 戎崎 俊一 人類の起源

エチオピアのキビッシュで発見された現生人類化石の年代:Age of modern human from Kibish, Ethiopia

1967年に南エチオピアのキビッシュ層で発見された人類の頭骨は、解剖学的に現代的な人類つまり、ホモ・サピエンスであると同定されている(Day 1969; Day and Stringer 1982; Day and Stringer 1991; Day et al. 1991)。しかし、この化石の由来と年代に関しては、多くの議論がなされてきた。McDougall et al. 2005は、Omo IとOmo IIの人類化石はキビッシュ層の第一部層に属していたことを確認した。第一部層タフの軽石破片の長…

2014年6月18日 / 最終更新日時 : 2023年4月18日 戎崎 俊一 人類の起源

エチオピアのアワッシュ川中流の更新世地層から発見された現生人類の化石:Pleistocene Homo Sapience from Middle Awash, Ethiopia

解剖学的現代人の出現とネアンデルタール人の運命は人類進化研究の基本的で重要な問題である。アフリカの人上科の化石には、10万年前と30万年前の間にギャップがあった。エチオピア、アワッシュ川中流のヘルトから発見された頭骨はこのギャップを埋めるもので、現代人類の出現の場所と時間とその環境を与える重要な発見である(White et al. 2003)。年代は、放射性同位元素により16.0-15.4万年前と決められた。この化石は、形態学的に年代学的により古い人類化石と後の解剖学的現代人の中間に位置する。したが…

2012年10月31日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 人類の起源

アフリカ人類の古い系統のミトコンドリアDNA全ゲノム解析:Whole-mtDNA Genome Sequence Analysis of Ancient African Lineages

ミトコンドリアDNAゲノム解析により、アフリカにおける人類の系統樹が明らかになった。アフリカに起源をもつミトコンドリアDNAの二つの系統(ハプログループMとN)はすべての非アフリカハプログループの前身である。一方、ハプログループL0-L6を含むマクロハプログーループLは、サハラ砂漠以南のアフリカ地域にしか見られない。いくつかのハプログループLの系統(例えばL0a、L0f、L5、L3g)は、東アフリカに最も高頻度に現れるが、そのいくつかは特定の民族にしか見られない。例えば、ハプロタイプL0dとLkは南…

著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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