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戎崎の科学は一つ

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生命の起源

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2014年2月4日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

燐酸鉱物における放射線損傷による燐酸の縮合: radiation induced condensation of phosphate in a mineral

グリファイトは、ウランとトリウムを含む燐酸鉱物で、これらによる放射線による構造変化が地質時間にわたって蓄積している。再結晶に必要な温度は比較的高くて、放射線による損傷が蓄積する。グリファイトの結晶形においては、単独の燐酸の他に、放射線損傷によりお互いに結合した(PO4四面体の鎖)が検出された(Chakoumakos et al. 1990)。Chakoumakos B. C. et al. 1990, Alpha-decay-induced condensation of phosphate ani…

2013年12月22日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

ホルムアルデヒドとシアニドは別の場所で作られた:Formaldehyde and cyanide are produced in the different places

酸化的なCO2大気では、水の存在下でホルムアルデヒドを作ることは問題なくできる(Galimov et al. 2006)。しかし、その条件ではアデニンの前駆物質であるHCNの合成は禁止される。一方、CO2の代わりにCH4で構成されるようなを還元的な大気では、HCNとその重合体が作られるが、ホルムアルデヒドの合成は抑制される。ホルムアルデヒドとHCNが同時にできたとしても、それらはシアノヒドリンを作ってしまう傾向が強い。これは、アデノシンリン酸への重合反応を阻害する。したがって、HCN重合物-リン酸化…

2013年12月22日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

単燐酸を還元して、亜燐酸を作る: Reduction of Phosphate to produce phosphorus acid

Glick (1955)は、太古地球における水溶性の燐酸化合物の生成として、単燐酸の還元を提案した。Glindemann et al (1999)は、水で飽和したメタンと窒素混合ガス中の放電させると、燐酸カルシウム(カルシウム単燐酸)を還元して、亜燐酸塩を生成することを見出した。さらに de Graaf and Schwartz (2000)はさらに、CO2(60%)+N2(40%)混合ガスにH2+CO2を混ぜて、燐酸カルシウムを放電に晒す実験を行い、H2+CO2が18%の場合には、亜燐酸の収率が、…

2013年12月8日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

前生物的ピリミジンリボヌクレオチドの合成:Prebiotic pyrimidine ribonucleotides

生命の起源のある段階において、情報高分子が純粋に化学的に合成されなければならない。「RNAワールド仮説」においては、それはRNAであるが、その実験的な証明はこれまで成功していない。特に、「活性化」されたリボヌクレオチドからRNAを合成できるものの、どうやってリボヌクレオチドが、その構成要素であるリボースと核酸塩基から作られたか全くわからない。まず、リボースを選択的に作ることが難しい、さらに核酸塩基にリボースを付け加えるプリンの場合でも困難で、普通のピリミジンではまったく起こらない。Powner et…

2013年12月8日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

原初地球における前生物的燐酸付加反応:Prebiotic phosphorylation in the primitive earth

現在の海における溶存無機燐酸の濃度は、10^-5-10^-6モルの低いレベルにある。それは、アパタイトグループの鉱物、特にハイドロキシルアパタイト[Ca5(OH)(PO4)3)が不溶性であることに起因していると信じられている。ハイドロキシルアパタイトは、非反応性で前生物条件での有機リン酸の合成の燐酸には使いにくい。これが、前生物合成の主要な困難の一つと考えられてきた。Miller and Parris(1964)は、二燐酸がシアン酸イオンの働きでアパタイトの表面に作られることを示した。二燐酸はアパタ…

2013年12月6日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

土壌中の燐酸: Phospahtes in soils

土壌の酸性度(pH)によって、施肥された燐酸がどのような形態になるかが決まる(Bradey 1974、有原1999)。pH4-5の酸性土壌では、施肥によって増加した土壌溶液中の燐酸イオンのいくらかは、低pHで活性化したアルミニウムイオンや鉄イオンと化合して化合物を作り、沈殿して難溶性の塩に変化する(Mg、Al、Mnによる化学固定)。また、ゲータイトなどの金属水酸化物に静電気的に吸着されたり、粘土表面に直接取り込まれたりする特異吸着などによって固定される(Fe、Al、Mgの水和酸化物による固定)。pH…

2013年11月27日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

月の石の中のシュライバーサイト: Schribersites in a moon rock

アポロ14号が持ち帰った透明な岩石14310の中の不透明な鉱物の中の鉄・ニッケル金属とトロイライトの中に、鉄リン化合物の鉱石シュライバーサイトが発見された(El Gorsey 1971)。シュライバーサイトは、広く隕石に存在しているので、普通は隕石の混入と考える。しかし、今回発見されたシュライバーサイトは、鉄ニッケル金属の粒の中の二つの小さな丸い粒として存在しており(写真)、月で作られたものである可能性が高い。X線蛍光解析の結果、一つはほとんど純粋なFePで、もう一つは、Niが28重量パーセント混ざ…

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著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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