月の石の中のシュライバーサイト: Schribersites in a moon rock
アポロ14号が持ち帰った透明な岩石14310の中の不透明な鉱物の中の鉄・ニッケル金属とトロイライトの中に、鉄リン化合物の鉱石シュライバーサイトが発見された(El Gorsey 1971)。シュライバーサイトは、広く隕石に存在しているので、普通は隕石の混入と考える。しかし、今回発見されたシュライバーサイトは、鉄ニッケル金属の粒の中の二つの小さな丸い粒として存在しており(写真)、月で作られたものである可能性が高い。X線蛍光解析の結果、一つはほとんど純粋なFePで、もう一つは、Niが28重量パーセント混ざっていることが分かった。
El Goresy, A. et al. 1971, The geochemistry of the opaque minerals in Apollo 14 crystalline rocks, Earth and Planetary Science letters, 13, 121-129.