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生命の起源

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2013年11月27日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

燐酸グリセロールの前生物的合成: Prebaiotic formation of Glycerol-phosphate

グリセロールとシュライバーサイト[(Fe,Ni)3P]を水中で嫌気的な環境で65度Cに加熱すると、亜燐酸と燐酸グリセロールが2.5%の収率で生成した(Pasek et al. 2013)。燐酸グリセロールは細胞膜の主成分である。Pasek M.A. et al. 2013, Evidence for reactive reduced phosphorous species in the early Archean ocean, 110, 10089-10094….

2013年11月27日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

ホウ酸鉱物とRNAワールドの起源: Borate minerals and origin of RNA world

RNAワールドは前生物的(>3.7Ga)化学と現代のDNA/タンパク質生化学の間を埋める重要な鍵である。RNAワールド仮説が成り立つためには、それに先立ってRNAを構成するリボースが他の糖に対して際立って安定になる環境が整えられる必要があった。ホウ酸溶液の中で、リボースが特に安定になる事実が発見され(Bener 2004)、これがこの問題に対する解決と考えらるようになった。残る問題は、RNAの合成が進む原初地球において、十分な量のホウ素が存在していたかということになる。ホウ素は典型的な地殻元素であり…

2013年11月24日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

マグネシウムと生命の起源: Magnesium and Origin of life

マグネシウムはATPの燐酸に結合し安定化するマグネシウムは、酸素原子6つを効率的に配位する能力を持ち、生化学において特別な役割をしている(Holm 2012)。このような酸素は、酸化物陰イオンの一部の場合が多い。例えば、Mg2+は、大きな分子の中の別々の離れた燐酸イオンと結合し、その結果としてRNA等の分子の折りたたみに関与している。このMg2+の性質はまた、核酸の中の二燐酸や三燐酸を安定化させるとともに、一燐酸から多リン酸への重合を助ける。このようなことから、マグネシウムが化学進化と生物の起源に深…

2013年11月11日 / 最終更新日時 : 2023年4月13日 戎崎 俊一 生命の起源

冥王代の地球表層環境:The Hadean Surface Enviroment of the Earth

わずかな地質学的なデータをつなぎ合わせることにより、原始地球の環境条件が明らかかになりつつある(Sleep 2010)。地球は、月を形成した大衝突(太陽系誕生から、40-50Myr後に発生)による高温状態から出発した。最初の100年から1000年は岩石の蒸気で覆われていた。衝突でできた深いマグマ海は、200万年ほど続いた。その冷却率はそれを覆う水蒸気やその他の温室効果ガスの量で決まる。マントルが固化すると大気中の水蒸気が、液化して500Kの温かい海を形成しその上を約100バールの二酸化炭素が覆うこと…

2013年9月20日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

リボザイムによる自己触媒ネットワーク:Self-splicing netwaork by ribozyme

地球における生命の発生には、生物学的な情報を維持し進化させることが可能な、自己複製化学反応系の成立が必要である。自己複製RNAが一つしかないRNAワールドでは、自分自身の情報を維持するためと寄生的な分子に対して十分に高い競争力を保つために、変異率を十分に下げることが重要であるが、それが非常にむずかしいことが分かってきた。理論的な解析ではお互いに相互作用する複数の分子のネットワークの方が、生命らしいふるまいをする化学反応系を発展させやすいことが分かっている。Vaidya et al. (2012)は、…

2013年9月20日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

tRNAの起源と進化: The origin and evolution of the tRNA

現在のゲノムの複製過程で働いているtRNA様構造はすべての生物に存在し、高く保存されている。tRNAの機能はたんぱく質の鋳型形成が始まる前、つまりRNAワールドにおいて既に存在していたと考えられる(Maizels and Weiner 1994)。現代のtRNAの上半分つまりTψC配列と受容ステムが最も古い機能要素で、残りの下半分は特異性を向上させるために付加されたと考えられる(図左上)。QβバクテリオファージはRNAファージでその3末端はCCAで終わるtRNA様構造を持っており、これがレプリカーゼ…

2013年9月20日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

二価金属イオンを二つ使うRNA触媒反応の一般機構: A general two-metal-ion mechanism for catalytic RNA

RNAのスプライシング反応、RNase PのtRNA前駆体の加水分解反応など、RNAが触媒する反応は、一般に約3.9オングストロープ離れた二価の金属イオンを二つ使ってホスホリル転位反応を進める(Steitz and Steitz 1993)。一つの金属イオン(Aサイト;図)は、水分子、もしくは糖分子の水酸基を攻撃して活性化し、もう一つの金属イオン(Bサイト)は脱離するリン酸イオンを安定化させる。これらの金属はMg2+、Mn2+、Zn2+が可能だが、野生型触媒ではAサイトにZn2+が、BサイトにMg2…

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著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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