ヒドロゲナーゼ(H2ase)は水素分子の酸化反応と逆反応を触媒する酵素で、生体のエネルギー代謝で中心的な役割をはたす。この酵素は、古細菌と細菌にひろくみられ、真核細胞にもみられる。ほとんど大部分のH2aseは金属酵素でありその金属部位は、二つの種類に分けられる。最初の種類は古典的な[2Fe-2S]、[2Fe-4S]、そして[4Fe-4S]でできた鉄・硫黄クラスタである。これらの金属クラスタは、H2活性サイトとH2aseの酸化還元パートナーとの間の電子を輸送を行っている。もう一種類の金属部位は、Niと…
酸化還元反応によって解放されたエネルギーの一部は、高エネルギー結合を持つ生体化学物質に保存される。細胞の中ではアデノシン三リン酸(ATP)というヌクレオチドがエネルギー担体として最も重要である。ATPは、アデノシン塩基とリボース糖一個ずつとリン酸3つでできている。これらのリン酸の酸素原子は、無水結合とエステル結合でつながっている。ATPからアデノシン二リン酸(ADP)へのリン酸の解離でモルあたり50-60 kJのエネルギーが解放される(正確にはリン酸濃度やPHに依存する;Nelson and Cox…
異なった種の間の雑種形成は、植物では普遍的だが、動物では不自然で異常であるとこれまで考えられてきた。そこで、自然環境における植物と動物の種間雑種形成を調べてみた。その結果、少なくとも植物種の25%、動物種の10%が雑種を含んでおり潜在的な他種からの遺伝子侵入の可能性を持っていることが明らかになった。そのほとんどが分化直後の若い種だった。自然環境の中で種は、その分化後数百万年の間は、隔離が完全でない場合がある。したがって、できたての種は、その分化開始から、最終的な繁殖隔離が成立するまでの長い間、同所的…