ホウ酸分子1つとビタミンC分子2つが錯体を作るホウ素は必須微量元素であるが、動物と人間の体内の中での生化学的機能についてはまだよくわかっていない。ホウ素は、エステル架橋による結合で、生体物質の安定化に寄与していると考えられている。Kose and Zumreoglu-Karan(2009)は、ビタミンC(H2A)のホウ酸と の1:1および2:1の陰イオン錯体をLi+、Na+、Ca2+イオンとの塩の中に中に見出した。2:1錯体の方が、1:1錯体より、熱的および加水分解安定性が高い。ビタミンCは、五単糖…
左:Blankenship and Hartman 1998が提案したOECの進化モデル。まず、バクテリオクロロフィルにマンガンカタラーゼが結合して、過酸化水素の酸化を光触媒することになった。これがOECに進化した。右:CaMn2O4の鉱物の構造(a)と光合成系IIの酸素発生[CaMn2Ox]クラスタの構造。両者はよく似ている。シアノバクテリアが地球大気の酸素を作り出した。その酸素発生複合体(Oxygen Evolving Complex: OEC)は、水の酸素分子への酸化を触媒するもので、4つのマ…
左:真正細菌・古細菌の共通祖先が持っていたと考えられる代謝。右:酸素呼吸は、酸素発生型光合成に先行して現れた。Castresana and Sataste (1995)は、以下の酸化還元たんぱく質が、真正細菌と古細菌の両方にみられるので、真正細菌・古細菌の共通祖先は、すでにこれらを持っていたと考えている。1)チトクローム酸化酵素サブユニットIとII2)チトクロームb3)Rieske鉄硫黄タンパク4)青色銅タンパク5)2Fe-2Sと4Fe-4Sフェロドキシン6)コハク酸脱水素酵素の鉄硫黄サブユニットこ…
酸素還元酵素(O2Red)は、酸素呼吸鎖に欠かせない酵素で、系統的には関係のない二つのスーパーファミリー(Cyt-bdとヘム・銅O2Red)から構成されている。後者はさらに、A族、B族、C族の三種類に分けられる(Pereira et al. 2001)。Brochier-Armanet et al. (2009)は、673種の真正細菌と古細菌からのこの4種(Cyt-bd、ヘム・銅O2Red酵素のA族,B族、C族)の系統解析を行い、酸素呼吸の起源と進化について調べた。その結果、それぞれの種類は固有の進…