ホウ酸とビタミンCの複合体形成: Complexation of boric acid with vitamin C
ホウ酸分子1つとビタミンC分子2つが錯体を作る
ホウ素は必須微量元素であるが、動物と人間の体内の中での生化学的機能についてはまだよくわかっていない。ホウ素は、エステル架橋による結合で、生体物質の安定化に寄与していると考えられている。Kose and Zumreoglu-Karan(2009)は、ビタミンC(H2A)のホウ酸と の1:1および2:1の陰イオン錯体をLi+、Na+、Ca2+イオンとの塩の中に中に見出した。2:1錯体の方が、1:1錯体より、熱的および加水分解安定性が高い。ビタミンCは、五単糖環にアルコール性水酸基の側鎖が付加された糖酸である。ホウ酸はその五単糖環にエステル架橋で結合していることがFTIRスペクトルとNMRで確認された。
Kose, D.A. and Zumreoglu-Karan, B., 2009, Complexation of boric acid with vitamin C, New Journal of Chemistry, 33, 1874-1881.