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戎崎の科学は一つ

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2012年1月15日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

真核生物の鞭毛装置の起源:Origin of the eukaryote flagellar appratus

真核細胞の鞭毛(flagella)は、鞭毛それ自身が能動的に屈曲して運動する能力を持っている。300以上のタンパク質が集まって鞭毛装置(Flagellar Apparatus)が構成されている。その中心には、9+2構造と呼ばれる特有の構造を持つ軸糸(axonome)があり、チューブリン繊維の間にモータータンパクのダイニンが結合している。そのすべり運動で鞭毛の屈曲が作り出される。真核生物においては、鞭毛装置は、多くの真核生物において、視覚、聴覚、機械刺激の感覚器としても使われている。鞭毛の起源について…

2012年1月12日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

脊椎動物の組織鉱化の進化: Evolution of Vertebrate Tissue Mineralization

図1左 組織鉱化に多種類の外分泌性カルシウム結合性リンタンパク質(Secretory calcium-binding phosphoproteins: SCPPs)が関与している。哺乳類、鳥類、両生類のこれらのゲノムの相互比較から、SPCC遺伝子の系統樹が作成されその重複の歴史が解明された(図1)。骨/象牙質のSCPPであるSPARCL1、エナメル質のSCPPs(AMBNとANAM)、そしてミルク/唾液SCPPsは、この順でヒトの染色体4に位置している。一方、SPARCは染色体5に位置している。図2…

2012年1月10日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

真核生物の起源:微生物マット社会の裏切り者: Origin of eukaryote: a social cheater in a biomat

図1:さまざまな粘液細菌の微生物マット微生物マットは、細胞から分泌された基質で覆われた単一もしくは複数の微生物種の集団によって構成されており、以下のような明解な発達サイクルを持つ。微生物マットは一つの細胞が固体表面に接着することから始まる。この細胞は細胞外基質を分泌しつつ増殖して成長する。最終的には成熟して、層状の構造が発達する。つまり内層と外層では細胞の形態と遺伝子発現パターンが違うようになる。成熟した微生物マットの中には栄養と水分を交換するための通路ができる。成熟した微生物マットからは芽胞が放出…

2012年1月6日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

小型GTP分解酵素の系統樹と真核細胞の進化: Small GTPase and the evolution of the eukaryotic cell

図1:小型GTP分解酵素の系統樹から、真核細胞の進化においてはまず外分泌システムが発達したと示唆された。RAS超遺伝子族によってコードされる小型GTP分解酵素は、真核細胞において、細胞内骨格ダイナミクス、小胞体運搬、核機能の制御をつかさどる重要な役割を果たしている。Sar1、Arf、SRβ、Rab、Ran、Ras、Rhoを含む小型GTP分解酵素の遺伝子の系統樹を構成してみると、Sar/Arf/SRβ遺伝子族が最初に分岐し、核機能を制御するRan遺伝子族の分岐がその後、食胞機能をつかさどるRab/Ra…

2012年1月2日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

大型類人猿の祖先におけるセグメント重複バースト

図1: セグメント重複バーストが人類・チンパンジー共通祖先とゴリラの分岐(600-800万年前)以後に始まっている。一方、東アフリカ大地溝帯の形成は約1,000万~500万年前に始まった。全ゲノムの比較から、大型類人猿においては、塩基配列セグメントの重複の頻度が他の霊長類よりも4-10倍高いことが分かった。(Johnson et al. 2006; Marque-Bonet et al. 2009; Marque-Bonet et al. 2009)。このセグメント重複バーストは、人類・チンパンジー…

著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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