SARS-CoV-2ウィルスのRNA修飾が宿主細胞の免疫反応を抑制している

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Li et al. (2021)によると、SARS-CoV-2ウィルスのゲノムは、RNA3’末端領域が強くN6-methylation of Adenosine (m6A)修飾を受けており、これによってウィルス感染による宿主細胞の免疫反応を回避している。

彼らは、宿主細胞のm6Aメチル基転移酵素であるMETLL3を減少させると、SARS-CoV-2ウィルスのRNAのm6A修飾が減少し、RIG-Iタンパク分子のRNA分子への結合が増加し、その下流の免疫回路と炎症反応遺伝子の発現を活発化させることを見出した。

この発見はウィルスゲノムのエピゲノミクスの変化が、ウィルスの感染性に大きな影響を与える可能性を示唆している。

Li, N et al. 2021, METTL3 regulates viral m6A modification and host cell innate immune responses during SARS-CoV-2 infection, Cell Reports, 35, 109091.