アメリカ合衆国連邦議会下院コロナウィルス感染爆発特別小委員会の事後評価報告:表紙と議長による前文

アメリカ合衆国連邦議会下院に設けられたコロナウィルス感染爆発事後評価特別小委員会が2024年12月4日に最終報告書を以下のURLで公開した。

https://oversight.house.gov/wp-content/uploads/2024/12/2024.12.04-SSCP-FINAL-REPORT-ANS.pdf

コロナウィルス感染爆発に関する重要な知見を含んでいるので、ここに表紙と議長による前文を翻訳することにした。私は天文学者であり政治家が書く文章には慣れていないので、翻訳されたニュアンスが原文とは違う可能性がある。気になることがあれば、原文で確認していただきたい。

表紙:AFTER ACTION REVIEW OF THE COVID-19 PANDEMIC

表紙
2024年12月4日
コロナウィルス感染爆発に関する特別小委員会
ブラッド・ウェンストロップ委員長

COVID-19感染爆発の事後評価報告書:教訓と今後

最終報告書
コロナウィルス感染爆発に関する特別委員会
監査会計委員会
アメリカ合衆国連邦議会下院
表紙ここまで

議長による前文

親愛なる同僚へ

118回連邦議会コロナウィルス感染爆発特別小委員会を主導したことは私の特別な喜びです。この100年に一回の感染爆発について調査し、次回の感染爆発―それはきっと起こる―にアメリカが準備するための偉大な責任に託されたことを私は名誉に思います。これは、私が非常に真剣にとらえた任務であり、その真剣さとチームワークにより大きな成功を得たと私は信じています。

5年前、2019年12月1日に最終的に確認された最初のCOVID-19の事例が発生しました。その後、感染爆発は今までに比類がない規模で世界を荒廃させました。数百万人が死亡し、さらに数百万人以上の患者が長期の影響を被っています。

COVID-19は新しいウィルスでした。最も聡明な科学者と医療専門家が、疾病そのものと二次的な副作用の両方を、どのように取り扱えばいいのかについて決める仕事についています。

2023年2月から、本特別小委員会は、議会、行政、民間部門が将来のパンデミックに備え、対応するためのロードマップを提供するべく、十全な事後報告書の作成を目指してきました。この過程の中で、この特別小委員会は100以上の調査書簡を送り、38回の筆記インタビュー、もしくは宣誓証言を実行し、25回の聴聞会もしくは会合を持ち、12の管理者からの100万ページ以上文書を調査しました。この仕事はたくさんのイベント、コメント、ガイダンスそして、その他の活動を考慮しています。これは、今日まで最も徹底して行われた単一の感染爆発の総括報告です。

諸君の大部分は私を知っています。私が私たちすべてのための結論を出すために、私たちの仲間のアメリカ人とともに、努力したことを諸君は知っています。それは、私が特別小委員会の委員長を同じ精神性で務めました。特別委員会は、党派対立の時期だったにもかかわらず、いくつかの話題に関する以下の超党派の合意を得ました。
1) COVID-19が実験室もしくは研究に関係した事故で出現した可能性は、陰謀論ではない。
2) EcoHealth Alliance, Inc.とPeter Daszak博士は、アメリカ合衆国税金を受け取るべきでない。
3) 科学的メッセージは、証拠によって支持され、明確で簡潔でなくてはならない。また、患者を取り扱っている第一線の博士などの信頼できる伝達者によってなされなければならない。
4) 公衆衛生担当の官吏はアメリカの信頼を回復するために働かなければならない。アメリカ人は、教化されるのではなく、教育化されなければならない。
5) ニューヨーク州前知事のアンドリュー・クオモは、医療過誤に関わっており、ニューヨーク州の老人ホームの全死亡者数を公に隠ぺいした。

これらの目覚ましい超党派的な成功の他に、この特別小委員会は、様々な事実を発見した。その一部は以下のようである。

1) アメリカ合衆国立公衆衛生研究所(National Institute of Health)は、武漢ウィルス研究所(Wuhan Institute of Virology)の機能獲得研究に資金を提供した。
2) 中共政府、アメリカ合衆国政府内の省庁、国際的な科学コミュニティのメンバーの一部は、感染爆発の起源についての事実を隠蔽しようとした。
3) Operation Warp Speedは途方もない成功で、未来に向かって構築すべきモデルである。今では治療学において恐らくよりよく性格づけられているワクチンは、厳しい症状と死を防いで、疑いもなく数百万人の命を救った。
4) 蔓延した詐欺、浪費、乱用はCOVID-19感染爆発の対策を麻痺させた。
5) 感染爆発時の学校閉鎖は持続的なアメリカの子供の複数の世代に影響を与えた。これらの閉鎖は、子供たちに奉仕することになっているグループによって行われた。
6) 憲法は、危機のときでさえ一時停止されえなかった。そして、自由の制限は公衆衛生への信頼を失わせた。
7) 対応策が病気よりも悪い結果をもたらしてはならない。例として、厳格で広範すぎるロックダウンは、予測できた苦悩と、回避できたはずの結果を生んだ。

118回連邦議会特別小委員会の議長を務めたことは、私の名誉でした。私は最初から言っているように、この仕事は私がこの12年の連邦議会でなした単一の最も衝撃的な責任であり、それはまだ続いています。この仕事は、アメリカ合衆国と世界を助け、次の感染爆発を予言(predict)し、それに向かって準備(prepare)し、それから我々自身を守り(protect)、そして希望的にはそれを防ぐ(prevent)でしょう。119回連邦議会の諸君は、この仕事を継続し、構築するべきです。より多くの情報が発見され、正直な行動がとられるように。

COVID-19感染爆発では指導力への不信が際立ちました。信頼は回復されます。信頼回復は、説明責任、透明性、正直性、そして誠実さによってなされるでしょう。将来の感染爆発に立ち向かうには、人的な利益や偏向のない全アメリカの行動が要求されるでしょう。私たちは、常によりよく行動できます。そしてそれはアメリカの将来の世代のためにやりぬかねばなりません。それはできるのです!

ブラッド・ウェンストロップ、D.P.M.
議長

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