有袋類の北米起源:North American origin of marsupials
ユタ州の白亜紀アルブ期(1億1200万年-9960万年)の地層から出土した下あごの骨は、特徴的な歯の発達状況から、有袋類のものであることが分かった。一方で、デルタルディウム(Deltatherdium)類は、原始的で有袋類とは無関係と分かった。この結果、初期の有袋類化石は、北米大陸に限られることになった。南米における化石の証拠などを合わせると、有袋類が北米起源であることがあきらかになった(Cifelli 1993)。
この有袋類は、南極大陸(当時は温暖だった)を通って、オーストラリア大陸に伝搬したと考えられている。南北アメリカ大陸では、オポッサムが生き残っている。
1) Ciffeli, R.T. 1993, Early Cretaceous mammal from North America and the evolution of marsupial dental characters, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, pp. 9413-9416.