アメリカ中西部のカーボナタイト噴火活動の歴史：History of cabonatite magmatism in the Southwestern part of North American continent

アメリカ中西部のカーボナタイト噴火活動は、以下のように三回あった（Mcleare 1987）。

１）プレカンブリア紀（1.4Ga）
ロディニア超大陸の分裂に対応している。この時にマウンテンパス（カリフォルニア・ニューメキシコ州界）のカーボナタイト複合体が形成されている（Castor 2008）。

２）カンブリア紀からオルドビス紀
ローレンシア大陸西部におけるリフト活動。アイアンヒル（コロラド、カンブリア紀：0.57 Ga; Van Gosen 2009）や、LEMITAR MOUNTAINS（ニューメキシコ、オルドビス紀,0.49 Ga; Mclear 1987）のカーボナタイト複合体が形成されている。

３）第三紀（55-0Ma）に開始したリオグランデ・リフトの活動に伴うもので、ごく最近まで続いていた。この時期に、マリアナ（メキシコ）のカーボナタイト複合体が形成されている（Nandigam, R., 1997）。

第三紀におけるウマ類のアメリカ中西部における成立と発達（Gould et al. 1996）は、三回目のカーボナタイト活動に関係している可能性がある。

残念ながら、ジュラ紀における有袋類のアメリカ中西部での成立と発達（100Maごろ; Gouldet al. 1996）と対応するカーボナタイト噴火事象は存在しないように見える。ただし、このころ太平洋のFarallonプレートが西から沈み込みを開始した（沈み込んだ時期は120Ma-40Ma)。プレートの沈み込みのせいで弧状列島が形成されて、浸食が盛んになり、この地に広大な堆積盆地が形成された証拠がある。この浸食作用のせいで、一旦は地下に隠されたモナザイトなどの放射能に富んだカーボナタイト鉱物が地表に露出したせいかもしれない。この時期にこの地で恐竜も大発展を遂げていることも注目に値する。

1) Mcleare, V. T. 1987, Geology and regional Implications of Cabonatites in the Lemitar Mountains, Central New Mexico, Journal of Geology, 95, 255-270.

2) Castor, S.B., 2008, THE MOUNTAIN PASS RARE-EARTH CARBONATITE AND ASSOCIATED ULTRAPOTASSIC ROCKS, CALIFORNIA, The Canadian Mineralogist, Vol. 46, pp. 779-806 (2008)

3) Mclear, V.T. 1982, GEOLOGY AND GEOCHEMISTRY of ORDOVICIAN CARBONATITE DIKES IN THE LEMITAR MOUNTAINS, SOCORRO COUNTY, NEW MEXICO, new Mexico Bureau of Mines and Mineral Resources, Open-File report, 158.

4) Van Gosen B.S., 2009, The Iron Hill (Powderhorn) Carbonatite Complex, Gunnison County, Colorado?A Potential Source of Several Uncommon Mineral Resources, U.S. Geological Survey Open-File Report 2009-1005, 28 p.

5) Gould, S.J., Osborne, R. and Michael Benton, 1996, The viking Atlas of Evolution, 1996.

6) Nandigam, R.C., 2000, Geology and geochemistry of newly discovered Tertiary carbonatite occurrences near Villa Ahumada area, Basin and Range province, Chihuahua, northern Mexico, Ph.D., The University of Texas at El Paso, 2000, 267 pages; AAT 9970437.