熱水プールからの亜リン酸の検出: Detection of Phosphite from geothermal pool
Pech et al. 2009は、カリフォルニア州マンモス湖の近くにあるHot Creek Gorgeの熱水プールからのサンプルに0.06 μMの濃度の亜リン酸と0.05μMのリン酸を検出した。しかし、それに続く流れのサンプルからは検出できなかった。亜リン酸は、現代の酸素に富む大気によって速やかに酸化されて、リン酸になったと考えられる。
亜リン酸塩はリン酸カルシウムに比べて1000倍も水に溶けやすく、生命誕生場におけるリンの源として有望視されている。陸上の熱水プールは生命誕生場の有力候補である。ゲノム情報を蓄える核酸、細胞膜を作るリン脂質、エネルギー単体であるATPなど生体にとって基幹的な分子はリン酸を含んでおり、生命誕生場はリン酸が豊富であったはずである。当時は、まだ大気に酸素はなく亜リン酸が豊富に存在したかもしれない。
1) Pech, H. et al. 2009, Detection of Geothermal phosphite using high performance liquid chromathogrpahy Environ. Sci. Technol., 15, 7671-7675.
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