フランス・プロテスタントの反乱 カミザール戦争の記録 カヴァリエ著
フランス絶対王政の最盛期を画するとされるルイ14世が、プロテスタントの信仰の自由を保障したナント勅令を破棄して、プロテスタントの弾圧を始める(1685年)。弾圧に耐えかねた南フランス、セヴォンヌ地方の農民たちは、ついに1702年に信仰の自由を求めて蜂起する。カヴァリエは、カミザールと呼ばれた蜂起軍の軍事指導者の一人である。彼らは、ゲリラ戦のお手本のような戦い方で、10倍するフランス正規軍と2年間戦う。しかし、海外からの援助も遅れ、次第に追い詰められてゆく。カヴァリエは、体制側と交渉の道を探り、信仰の自由とプロテスタント政治犯の釈放の同意に一旦は至るが、ルイ14世はそれを認めなかった。やむなく、フランスを出国する。その後、オランダ、イギリスなどの援助を得ようと努力するが成果は得られなかった。寛容王令により、フランスにおけるプロテスタントの弾圧が終わるのは、フランス革命直前の1787年を待たねばならなかった。
このカミザールの戦いは、絶対王政に対する民衆の抵抗の始まりを画するもので、後のフランス革命の遠い前駆をなすものである。