2014年11月24日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 生命の起源 放射線により励起されたCO2の還元反応 水中の二酸化炭素が2-10のpH範囲で、ガンマ線の照射下で、還元されることは1960年代に発見され報告されていた。この反応においては、水和電子が水中のCO2の主要な還元剤である。メタノール、CO、O2の他に、主要な最終生成物として、アルデヒド類、蟻酸、酢酸、グリコール酸、グリオキサール酸、蓚酸が作られる(Getoff 1994)。まず、水の放射分解によりeaq-、H、OH、H2、H2O2、H+、OH+が作られる。これらがCO2と反応してCO2+eaq-→C.O2-CO2+H→C.OOH or HCO…
2014年11月15日 / 最終更新日時 : 2023年5月3日 戎崎 俊一 人類の起源 人類の持久走力 人類の特徴として大きな脳を持ち、道具を作り、複雑な認識ができることが強調されているが、運動能力をみると、強さ、パワー、器用さ、速さのどれを見ても他の動物(親類筋にあたるアフリカ大型霊長類を含めて)見劣りがする。人類は、弱く、遅く、不器用な生物である。典型的な現代人よりかなり軽いチンパンジーでさえ、より大きな力を出せ、より速く走り、そして器用に移動する。素手でチンパンジーと戦ったら、ヒトは一人も勝ち残れないだろう。しかし、Lieberman et al (2009)によると、ヒトはパワーや強さでは他の…