象の起源と進化: Origin and Evolution of elephant

ファイル 55-1.jpg

モロッコで発見された長鼻目のもっとも古い化石

長鼻目のもっとも古い化石は北アフリカのおよそ55Maの暁新世の地層から見つかっている(Gheerbrant 2009)。長鼻目のメリテリウムは34Maにエジプトで生息していた。このメリテリウムや北アフリカに生息していたバリテリウムは半水生適応していたと考えられている(長谷川2011)。

このように、象の仲間である長鼻目は、エジプトからモロッコにかけての北アフリカに起源しそこで初期の進化を遂げたと考えられる。

その後、アフリカ大陸がローラシア大陸と陸続き(2000万年前)になり、現在のアジア、ヨーロッパ、北アメリカにわたった象は二次的に大発展を遂げる。

1) Gheerbrant, E. 2009, Paleocene emergence of Elephant relatives and the rapid radiation of African ungulates, Proceedings of National Academy of Science USA, 106, 10717-10721

2) 長谷川政美、2011、動物の起源と進化、八坂書房