映画評 眠れぬ夜のために

アクション映画列伝(6)
「眠れぬ夜のために」は1985年公開の作品である。映画は、不眠症で仕事もうまくいかず、妻の浮気も目撃した不幸な主人公が、どうしても眠れない苦しさに車で街に出るところから始まる。行きずりの美女(ミシェル・ファイファー扮するディアナ)を助けたばっかりに、国際的陰謀に巻き込まれ、飛び交う銃弾をかいくぐり、カーチェイスで逃走し、殺し屋との格闘するといった大騒ぎの一晩を過ごす。騒ぎもひと段落し、疲れてぐっすりと眠る主人公。はっと目覚めるともう陽光あふれる朝。あれ、昨日の騒ぎは夢だったかな、大変だったけどあの美人にはもう会えないのかと思い始めた矢先、通路の向こうからディアナがBBキングの主題歌とともに颯爽と登場。というこのエンディングの爽快感とカッコよさに一票。

お決まりのアクションはそつなくきちんと作られており、その点でも秀逸。たくさんの映画のパロディが隙間なく織り込まれている(らしい)。後から調べると有名監督がたくさんチョイ役で出ている知る人ぞ知る映画でもあったらしい。なぜか歌手のデイビット・ボーイが謎の殺し屋役で怪演。ハリウッドの内輪受け映画だったのかも。

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