映画評 爆裂都市 BURST CITY

アクション映画列伝(5)
爆裂都市 BURST CITYは、1982年に公開された日本映画である。近未来を舞台としたSFアクション映画で、石井聰亙が監督をしている。暴力とパンク・ロックのパフォーマンスがないまぜになった独特の世界が描かれる。大学を卒業したばかりの監督も、出演したロックバンド(ロッカーズ、スターリン、泉谷しげるなど)も、若さ全開で最初から最後まで走りきったような映画だ。殺陣もシナリオも荒削り(実は詳細は覚えていない)だが、反骨のエネルギーがほとばしっていた。私は、この30年で日本で作られた最高のアクション映画と思っている。

陣内孝則はこの映画が初主演だった。えらくまた生きのいい新人が出てきたもんだと思ったが、そのまま私は忘れていた。今は都会派の個性派俳優としてトレンディードラマなどに出演している。私は反骨エネルギーほとばしる不倒不屈のコマンドー佐々木の演技の方が好きだ。

石井聰亙が久々に監督したSFX大作である「五条霊戦記」(2000年公開)は駄作だった。