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戎崎の科学は一つ

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『科学はひとつ』掲載記事

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2012年8月10日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

低線量率被爆した父親(チェルノブイリ清掃作業従事者)の子供におけるゲノム不安定の解析

イオン化放射線に対する低線量被ばくした父親(チェルノブイリ事故の清掃労働者)と被ばくしていない母親の間に生まれた、被爆していない子供の、ゲノム不安定を調べた(Aghajanyan et al. 2011)。父親たちの清掃従事時間は2-6か月にわたり、その平均被爆線量は226 mSvだった。異常細胞頻度、染色体型異常頻度、そして染色体切断頻度は、清掃労働者の父親とその子供において、コントロールよりも有意に(2-3倍)高かった。染色体切断頻度(100細胞に4-5個)は、父親の被爆と妊娠の時間とは無関係だ…

2012年7月25日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

アマゾン熱帯雨林の動物相の多様性の起源

地球上で最も多様性豊かな動物相が、中央南アメリカの熱帯低地にみられる。この動物相は、アマゾン川流域を中心とし、西はアンデス山麓、東は大西洋岸、北はギニア高地、南はブラジル楯状地まで広がっている。Haffer(1967)は、このアマゾン熱帯雨林の鳥類相の多様性は、更新世とその後に起こった何度かの乾燥期にアマゾン熱帯雨林が、小さな森に分割されたことに起因していると提案した。これらの小さな森は、サバンナに囲まれてお互いに孤立してしまったものの、森林動物相の「避難所」として機能した。湿潤な気候が戻ると、これ…

2012年3月29日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

放射線の非標的効果

放射線に被曝した細胞核のみではなく、被爆していない周りの細胞核や娘細胞にも放射線の影響が現れる。これを放射線の非標的効果と呼ぶ(Ilnytskyy and Kovalchuk 2011)。放射線損傷の記憶は、被爆した細胞の子孫にもゲノム不安定になりやすい形質として保存される。同様の形質が被爆した生殖細胞からできた胚においても発現し、それが大人になっても維持される。非標的効果には、DNAメチル化、ヒストン修飾、そして小RNA分子に媒介された遺伝子発現抑制の3つのエピジェネティック機構が関与していると考…

2012年2月19日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

放射線被爆を受けた親の子孫の細胞におけるゲノム不安定について

Dubrova 2006は、放射線被ばくした親の子孫におけるゲノム不安定についてしらべた。放射線被ばくした動物の子孫に、癌疾病の増加と体細胞および生殖細胞の両方のゲノムの不安定が示された。変異率の有意な増加が、最初の放射被爆から少なくとも20-40回の分裂後まで見られる。この不安定性には、エピジェネテックス機構が関与しているようだ。親のDNAのメチル化がこの不安定を子孫に伝達していると考えられる。多くの研究が、DNAのメチル化がエピジェネテックな変化の鍵を握る機構であることを示している(Baulec…

2012年1月2日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

大型類人猿の祖先におけるセグメント重複バースト

図1: セグメント重複バーストが人類・チンパンジー共通祖先とゴリラの分岐(600-800万年前)以後に始まっている。一方、東アフリカ大地溝帯の形成は約1,000万~500万年前に始まった。全ゲノムの比較から、大型類人猿においては、塩基配列セグメントの重複の頻度が他の霊長類よりも4-10倍高いことが分かった。(Johnson et al. 2006; Marque-Bonet et al. 2009; Marque-Bonet et al. 2009)。このセグメント重複バーストは、人類・チンパンジー…

2011年12月26日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 気候変動

過去2000年の気温変化と王朝の盛衰

年輪から求められた過去2000年の気温変化。世界史上の主要事件を重ね書きした。The Temperature anormalies of the past 2000 years reconstructed by tree rings. The major events of the world wide history were plotted by Toshikazu Ebisuzaki. The original version of this figure was prepared by Ro…

2011年12月22日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 地震と津波防災

東海地震について

図1:東海地方では2000年から2003年にかけてスロー地震が起こったAndo1975によれば、白鳳時代から現代まで南海トラフで起こったM7以上の巨大地震の記録が残っている。地震で動いた領域を土佐湾沖(A)、紀伊水道沖(B)、熊野灘沖(C)、遠州灘・駿河湾(D)に分けて議論すると、両者が同時に起こる場合と、東南海部分(CとD)が先に動き、南海部分(AとB)の地震が数年後に起こる二つのパターンがあることがわかる。 Table 1: 過去の南海トラフ巨大地震(Ando 1975)————…

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著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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