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戎崎の科学は一つ

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『科学はひとつ』掲載記事

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2020年5月4日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 書評

世界の見方の転換1,2,3

世界の見方の転換1,2,3山本義隆 2014年 みすず書房 天動説から地動説へのいわゆるコペルニクス的転回がいかにして起こったのかを詳細に記述する労作である。結論から言うと、コペルニクス的転回は一日にしてなったわけではない。コペルニクスの前に、地動説を構成可能にした多くの努力があり、さらに惑星運動論を超えて、天体力学に昇華させるためにさらに数段の飛躍が必要だった。 西洋における天体の運動を理解しようとする学問的な試みは、15世紀にプトレマイオスの著作の翻訳から始まった。ハプスブルク家が設立したウィー…

2020年4月30日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 書評

Collapse: How Societies Choose to Fail or Succeed

Collapse: How Societies Choose to Fail or Succeed: Revised Edition Jared Diamond 2011年 Penguin Books 著者が生まれた米国モンタナ州から議論を始め、イースター島、ピトケアン島、ヘンダーソン島、グリーンランドのバイキング入植地、メキシコ・チャコ渓谷、マヤなどの、社会が崩壊してしまった例を調べ、その経緯と原因を明らかにした。一方で、ハイチ、日本などの孤立しながらも危機を脱した社会の例を挙げて、違いが何かを探…

2020年4月30日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 書評

Noah’s Flood: The New Scientific Discoveries About The Event That Changed History

Noah’s Flood: The New Scientific Discoveries About The Event That Changed HistoryWilliam Ryan, Walter PitmanSimon & Schuster; Touchstone版 (2000/1/25) ノアの箱船の伝説は、約7800年前に黒海領域に現実に起こった海水流入による大洪水を元にしているとの仮説検証を記述している。まず、彼らが展開した仮説の概略を述べよう。  最終氷期が約12,000年前に最大を…

2020年1月17日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 ルーツと青春

七大学柔道の精神

 大阪大学に入学した私が打ち込んだのは柔道だった。阪大の柔道部は全国七大学柔道優勝大会での優勝を目標としている。この大会は、戦前の高専柔道の流れをくみ、いつでも寝技に入れる独特のルールで15人勝ち抜き戦で行われる。北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大学、九州大が参加している。 柔道は他の格闘技と同様に、体格がよいものが有利である。また、立ち技は持って生まれたバランス感覚が重要で、それを練習で埋めることは困難である。では、体格にも才能にも恵まれないものが、主役となりえる柔道はないのだろう…

2019年11月2日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 地震と津波防災

大規模な地滑りが津波地震を起こす

 東北日本太平洋岸の東約200キロ沖にほぼ南北に延びる日本海溝は、最深部の水深が8020メートルであり、地球で最も低い場所の一つである。その底から日本列島を見上げるとその高さはヒマラヤ山脈に匹敵する。ここでは、太平洋プレートが地球深部に向かって沈み込んでいる。その陸側斜面では、その沈み込み運動に引きずられて10度を超える急斜面が形成されている。 その詳細な地形図には、いたるところに地滑り跡らしい巨大な崖がみられる。その斜面の崩壊で、巨大な岩石塊を含む土砂が、海溝最深部に流れ込んでいることが想像される…

2019年7月1日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 天体物理学

紫外線で夜の地球を網羅的に観測――国際宇宙ステーション搭載の望遠鏡

 地球の夜側を近紫外線で詳細に観測する「Mini-EUSO望遠鏡」が、準備の最終段階を迎えている。Mini-EUSO望遠鏡は口径25センチの紫外線望遠鏡で、国際宇宙ステーションのロシアモジュールにある紫外線透過窓に設置され、地球方向を観測する。視野は±19度で、差し渡し250キロの領域を2.5マイクロ秒ごとに48×48画素で撮像観測する。(戎崎俊一) これは、超高エネルギー宇宙線を観測するための超広視野望遠鏡・EUSO(ユーゾ)の開発の一環をなすもので、宇宙におけるプラスチックフレネルレンズ、位置検…

2018年12月20日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 地震と津波防災

パル地震による津波災害と、パルと東京の地形の類似性

今年9月28日、インドネシア・スラウェシ島でマグニチュード7.5の地震が発生した。それに伴って、島中部に位置する中スラウェシ州の州都パルの町を波高6~10メートルの津波が襲い、2000人を超える犠牲者を生む大災害を引き起こした。パル湾を南北に走るパル・コロ断層の横ずれが地震の原因であり、当初あまり大きな津波が発生するとは考えられていなかった。 パルは南北に伸びるパル湾の湾奥に位置している。湾口部および湾内で発生した同時多発海底地滑りが、その原因ではないかと推定されている。実際、地上でも、傾き1度程度…

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著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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