冥王代の地球表層環境:The Hadean Surface Enviroment of the Earth

ファイル 118-1.jpg

わずかな地質学的なデータをつなぎ合わせることにより、原始地球の環境条件が明らかかになりつつある(Sleep 2010)。地球は、月を形成した大衝突(太陽系誕生から、40-50Myr後に発生)による高温状態から出発した。最初の100年から1000年は岩石の蒸気で覆われていた。衝突でできた深いマグマ海は、200万年ほど続いた。その冷却率はそれを覆う水蒸気やその他の温室効果ガスの量で決まる。マントルが固化すると大気中の水蒸気が、液化して500Kの温かい海を形成しその上を約100バールの二酸化炭素が覆うことになる。この暖かい地球は、二酸化炭素が大気の主成分である限り続く。二酸化炭素は海底で反応して石灰岩となり、海洋底の沈み込みとともに地球表面から取り除かれる。この二酸化炭素の除去にかかる時間は、200万年から1000万年ぐらいと見積もられている(Zhanle et al. 2006; 2010)。原始太陽は現在より30%暗いので、温室効果ガスがないと完全に凍結する。

Sleep, N.H. 2013, The Hadean-Archan Enviroment, Cold Spring Harbor Perspectives in Biology, 2, a002527

Zhanle, KJN, et al. 2006, Emergence of Habitable Planet, Space Scoence Review, 129, 35-78.

Zhanle, K., Schaefer, L, and Fegley, B., 2010, Earth’s Earliest Atmosphere, Cold Spring Harbor Perspectives in Biology, 2, a004895