普通海綿綱と六放海綿綱の主な骨格要素はアモルファスシリカでできた針状骨である。特に、普通海綿類は、シリカ骨格の合成を触媒する(Shroeder et al. 2007)。単量体シリカからシリコーン繊維への重合反応を触媒するシリカテイン(silicatein)と呼ばれる酵素は、カセプシン(capthesin)によく似た構造を持っているが、他のカセプシン族はシステインタンパク分解酵素ではあるが、シリカ重合能力はない。最もよく似ているカプセシンLは、人間においては破骨細胞で発現している。反対に、シリコーン…
Cyrtoidea” from Ernst Haeckel’s Kunstformen der Natur, 1904多くの生物は鉱化外殻を持つ。現生の生物では、円石藻、有孔虫(炭酸カルシウム)、珪藻、放散虫(シリカ)などの植物プランクトンが美しい外殻を持っている。また、サンゴ類(炭酸カルシウム)や海綿類(シリカと炭酸カルシウム)の外殻を作っている。光合成をする水生生物に外殻を持つものが多いように思われる。水中に豊富にある重炭酸イオン(HCO3-)の利用が、必然的に炭酸塩の析出を促すことはすでに論じ…
第10回国際JEM-EUSO会合が12月5日から10日の日程で理研和光キャンパス仁科ホールで開催されました。日本を含めて11か国70人が参加しました。うち外国人は39人でした。The 10th International JEM-EUSO meeting took place at Nishina-Hall of RIKEN Wako campus on 5-10 December 2011. Seventy researchers, including 39 foreigners, from 11…
図1:モータータンパクは核酸スイッチに起源をもちGタンパクと同根である(Vale R.D. and Milligan R.A. 2000, Science, 288, 88-95)Erickson et al. 2007にしたがって、細胞内輸送システムに関連する遺伝子の進化について議論する。真核生物の細胞内輸送は、レール繊維とその上を動くモーターで成り立っている。レール繊維は、主にチューブリンとアクチンが使われている。前者は細胞分裂に、後者はその他の細胞内物質輸送に使われている。モーター分子は、いろ…