膜結合型[NiFe]ヒドロゲナーゼの起源と進化:Origin and Evolution of Membrane-bound [NiFe] hydrogenase (MBH)
電子伝達系の複合体I、もしくはNADHキノン酸化還元酵素(Nuo)は、現生生物の呼吸鎖の一部をなしており、嫌気性微生物のエネルギー保持[NiFe]ヒドロゲナーゼと密接な進化上の関係を持っている(fig 1)。すべての生物の中で、複合体Iのキノン結合サブユニットNuoDは、膜結合ヒドロゲナーゼ(MBH)の中のH2放出[NiFe]含有触媒サブユニットMbhLと最も近い関係にある。MBHは電子供与体としてフェロドキシン(Fd)を、NuoはFdもしくはNADHを用いる。Schut et al. 2016によ…