単純なエネルギー生産反応:輸送と結合した陽子の還元:A simple energy conserving system: Proton reduction coupled to proton translocation

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生物は、酸化的リン酸化反応を使って、一連の膜結合電子伝達複合体で陽子駆動力を作り出し、ATPを合成する。そのとき最終的には外部の最終電子受容体を還元する必要がある。Sapra et al. 2003は、100℃の環境が最適に生育する古細菌Pyrococcus furiosusは、それとは少し違った呼吸系を持つことを発見した。それは、膜結合ヒドロゲナーゼ一つのみで構成されている。この酵素は、細胞質性の酸化還元タンパク質フェロドキシンから電子を陽子に渡し、水素ガスを作ると同時に陽子を細胞外に輸送する。このことで細胞内外に陽子駆動力を維持し、ATP生産を可能としている。

このような呼吸系を用いると、グリセルアルデヒド3リン酸の酸化の際に、NADの代わりにフェロドキシンに電子を渡すことで、水素の合成によりエネルギを得ることができる。

Sapra, R. 2003, A simple energy-conserving system: proton reduction
coupled to proton translocation, PNAS, 100, 7545-7550.