アカゲザル精源細胞における放射線による染色体相互転座の誘発アカゲザル精源幹細胞における染色体相互転座の放射線による誘発を、精母細胞の分裂中期における遺伝子多価解析によって調べた(van Buul 1989)。動物は、1Gyのγ線にさらされた。線量率の140 mGy/minの時の回復後の相互転座の頻度は0.43%で、コントロールの約10倍以上だった。線量率を0.2 mGy/minに下げても逆位頻度は変わらなかった。アカゲザルのような放射線に対する感度が高い種は比較的高い敷居線量を示し、線量率の減少によ…
南アルプスのピオナとコモ湖周辺のペグマタイトは希少な鉱物を産出することで有名である。「Filone della Malpensa」と呼ばれる鉱物は、希土類を最も豊富に含んでおり、大変興味深い。同様の鉱物は、バルテリナ谷とベルゲル山塊に広くみられる。この緑色のペグマタイト鉱物は、もともとランタンとセリウムのリン酸化物として記述され、単位結晶パラメータは、モナザイトと一致していた。しかし、可視光の吸収スペクトルのような物理的な性質が普通のモナザイトと違っている (Gramaccioliet al. 19…
他から孤立した有効個体数Neの集団において、新しい染色体変異が固定するまでの時間を中立進化仮説に基づいて導いてみる。このような集団における新しい変異の固定確率をuとすると、u=1/(2*Ne)である。1個体、1世代あたりの変異の発生率をvとすると、この集団で発生する染色体変異の数は2*Ne*vで与えられる。したがって、一つの変異がその集団に固定する頻度は、u*2*Ne*v=vとなる(Kimura et al. 1968)。一方、一つの染色体変異が固定するまでには、平均4*Ne世代かかる (Ewens 1963)。したがって、平均的にはts=max(4Ne, 1/v)世代の孤立の後には、その集団に新しい染色体変異が固定し、再接触時に染色体変異による生殖隔離機構が働き、種の再融合が妨げられて、種分化が確立する。ts0.1ts0.01となる。10-100世代で種分化が成立するためには、小集団で孤立し、ゲノム不安定が発生してvが0.01-0.1/個体/世代まで上昇しなければならない。破局進化シナリオのみが、この二つの条件を自然に満たす。Landeによると、現在v=10^-3-10^-4/個体/世代と見積もられている。したがって、現在では、vが低いために、生殖隔離成立のためには、少なくとも1000から10000世代が必要である。1年1回の生殖を仮定すると、1000年から10000年が必要である。例えば、ガラパゴス諸島のフィンチが、自然選択による形態の多様化が進んでも、生殖が可能で生殖隔離が十分でなく孤立が解けると種が再融合してしまうのは(Grant and Grant 1997)、現在は、染色体変異の確率が小さすぎ、生殖隔離成立にはまだ至っていないからであろう。現在は、破局にはなく、自然放射能レベルも低いので、種の分化が起こりにくい。1) Kimura M. 1968, Evolutionary rate at molecular level, Nature, 217, 624-626.2) Ewens, W.J. 1963, The mean time for absorption in process of genetic type, J. Aust. Math. Soc., 3, 375-3833) Lande R. 1979, Effective deme size during long-term evolution estimated from rates of chromosomal rearrangement, Evolution, 33, 234-251.4) Grant, P.R. and Grant, B.R. 1997, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94, 7768–7775.