アカゲザル精源細胞における放射線による染色体相互転座の誘発: The induction by ionizing radiation of chromosomal aberration in rhesus monkey pre-meiotic germ cells
アカゲザル精源細胞における放射線による染色体相互転座の誘発
アカゲザル精源幹細胞における染色体相互転座の放射線による誘発を、精母細胞の分裂中期における遺伝子多価解析によって調べた(van Buul 1989)。動物は、1Gyのγ線にさらされた。線量率の140 mGy/minの時の回復後の相互転座の頻度は0.43%で、コントロールの約10倍以上だった。線量率を0.2 mGy/minに下げても逆位頻度は変わらなかった。アカゲザルのような放射線に対する感度が高い種は比較的高い敷居線量を示し、線量率の減少による逆位頻度の減少を示さないが、放射線耐性が高いマウスのような種は、敷居線量がより低いと考えられる。
1) Van Buul, P.P.W. 1989, The induction by ionizing radiation of chromosomal aberration in rhesus monkey pre-meiotic germ cells: effects of dose rate and radiation quality, Mutation research, 225, 83-89.