ホウ酸鉱物とRNAワールドの起源: Borate minerals and origin of RNA world
RNAワールドは前生物的(>3.7Ga)化学と現代のDNA/タンパク質生化学の間を埋める重要な鍵である。RNAワールド仮説が成り立つためには、それに先立ってRNAを構成するリボースが他の糖に対して際立って安定になる環境が整えられる必要があった。ホウ酸溶液の中で、リボースが特に安定になる事実が発見され(Bener 2004)、これがこの問題に対する解決と考えらるようになった。残る問題は、RNAの合成が進む原初地球において、十分な量のホウ素が存在していたかということになる。ホウ素は典型的な地殻元素であり…
冥王代の地球表層環境:The Hadean Surface Enviroment of the Earth
わずかな地質学的なデータをつなぎ合わせることにより、原始地球の環境条件が明らかかになりつつある(Sleep 2010)。地球は、月を形成した大衝突(太陽系誕生から、40-50Myr後に発生)による高温状態から出発した。最初の100年から1000年は岩石の蒸気で覆われていた。衝突でできた深いマグマ海は、200万年ほど続いた。その冷却率はそれを覆う水蒸気やその他の温室効果ガスの量で決まる。マントルが固化すると大気中の水蒸気が、液化して500Kの温かい海を形成しその上を約100バールの二酸化炭素が覆うこと…