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戎崎の科学は一つ

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2012年9月28日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

黒海底におけるメタンガス漏出による石灰析出とそれに伴う微生物集団:Concretionary methane-seep carbonate and associated microbial communities in Black Sea sediments

メタン漏出地点にある析出石灰岩北東黒海のガス漏出地点は、嫌気的なメタンをエネルギー源とする生態系の研究に適している(Reitner et al. 2005)。メタン酸化に伴う石灰の析出がメタン漏出点の周りに堆積している。その一部は微生物マットで覆われている。この微生物の中に住む硫酸還元菌と古細菌がメタンの無酸素酸化を進めていると推定されている。微生物の代謝は、13Cがかなり欠乏した石灰の析出を支えている。硫酸還元菌は細胞内にグレイジャイト(Fe3F4)を包含物として持っており、鉄サイクルが微生物集団…

2012年9月27日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

カンブリア紀初期の熱水孔生物群の化石の発見:Discovery of fossiles of a hydrothermal venting community in early Cambrian period

カンブリア紀初期の熱水孔跡(左)と熱水生物群の化石(右)中国南西部の下部カンブリア期のNiutitang層群の重晶石(硫酸バリウムが主成分)は、この重晶石鉱床は熱水堆積物の鉱床である。顕微鏡の観察で、藻類、海綿類の針骨、チューブ型化石がこの中に保存されていることが分かった(Yang et al 2008)。さらに、これらの化石は、現在の太平洋の深海底の熱水孔生物群とよく似た性格を持っていることが分かった。これらは、カンブリア紀初期にはすでに熱水孔生物群はすでに盛んだったことを示している。Yang R…

2012年9月26日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 生命の起源

窒素固定の起源:Origin of Nitrogen Fixation

ニトロゲナーゼに関する二つの仮説。左:真正細菌と古細菌の共通祖先に起源する。右:メタン生成細菌に起源する生物学的に得られる窒素、いわゆる固定窒素は生命にとって必須のものである。知られている窒素固定生物はすべて原核生物であり、窒素固定能力は真正細菌界と古細菌界の両方に広がっている。これらの生物の窒素固定は、すべてニトロゲナーゼという一種類の酵素システムによっている(Raymond et al. 2003)。これは一個のN2分子の固定に16個のATPを使う代謝的にはもっとも高価な生化学反応を触媒する。生…

2012年9月19日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

世代を超えて蓄積される放射線損傷:チェルノブイリ降下物に慢性的に曝露された小動物

チェルノブイリ事故から10年、22世代にわたり慢性的に放射線に曝露されたハタネズミ(bank vole)野生の個体群の生物学的損傷の蓄積の解析を行った。骨髄細胞における染色体異常と胎児死亡率が、ベラルーシの様々な放射性核種の地上堆積条件における監視領域の個体群の全身吸収放射線量率の時間変化と比較された。低線量率での長期にわたる生物学的損傷は、22世代にわたって蓄積され、染色体異常の増加と胎児の死亡率の永久的な増加を引き起こしている。これは、全身吸収線量率の2.5-3年の半減期で減少するのにともなって…

2012年9月14日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 科学論

佐久間象山、大山益次郎遭難碑

佐久間象山と大山益次郎の遭難碑。京都木屋通り三条の高瀬川のほとりにある。どちらもまず学者として身を起こしたが、国難に際して奔走して、回天の業の先駆けと完成をなした。先見の明により勇気ある発言をしたが、それが災いして非業の死に倒れた。学者たるもの、勇気を持つべし。合掌。…

2012年9月3日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 科学論

昭和18年理化学研究所案内、昭和18年度研究項目:Annual Report of RIKEN, 1943: Subjects of Research

これら研究事項は各研究室の主任研究員が随意に選択するものである。また研究の範囲においても何らの制限を置いていない。例えば化学者が物理の研究に立ち入ることも、物理学者が化学の研究に没頭することもその人の自由である。ただし、その成績に就いては研究者は絶対の責任を負っている。「栄光の理化学研究所-その歴史と今後の発展-仁科記念財団」より昭和18年理化学研究所案内…

著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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