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地震と津波防災

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2017年10月27日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 地震と津波防災

小川琢治(湯川秀樹の実父)が指摘した津波発生原因としての海底地滑り

 地質学者の小川琢治は、ノーベル賞物理学者、湯川秀樹の実父である。彼は1870年、紀伊国田辺藩の儒学者、浅井篤の次男として生まれた。16歳で上京し、第一高等学校に入学。20歳のときに濃尾地震に遭遇した後、熊野旅行に行き、湯ノ峰温泉、瀞(どろ)八丁、潮岬を旅行する。この地震と旅行がきっかけで地質学に興味を持ったといわれている。 2年後には帝国大学理科大学地質学科に入学している。97年に東京帝国大学を卒業して地質調査所に入所したが、1908年には退官して京都帝国大学文科大学教授地理学講座担当となり、21…

2017年2月17日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 地震と津波防災

地震前後の海底地形変化と津波 軟弱な堆積地層の地滑りを警戒

大正関東大地震(1923年)では、伊豆半島東岸から房総半島西岸までの相模湾沿岸各地において、地震発生直後に津波が襲来し大きな被害をもたらした。一方、この地震前後の海底地形の変化が、23年9月1日の地震直後から翌24年1月にかけて調査された。その結果が、水路部(旧日本海軍)によってまとめられている。震災調査報告では次のように記述されている。 「相模灘で起こった地変のうち最も顕著だったのは海底の陥没である。湾内より大島付近各所でそれが認められるが、最も大きかったのは真鶴岬の沖合から相模灘の中央を南東の方…

2017年2月5日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 地震と津波防災

大正関東地震(1923)における相模湾内海底地滑りと津波の発生について

大正関東地震(1923年)においては、伊豆半島東岸から房総半島西岸までの相模湾沿岸各地において、地震発生直後に津波が襲来し大きな被害がもたらした。その発生原因について考察する。1.津波襲来状況と相模湾の海底地形変化調査津波襲来状況は、神奈川県水産試験場によって調査され調査報告書以下のようにまとめられている(吉田ら2012)「西部真鶴付近にあっては激震後5 ~ 6 分にして、東部三浦郡沿岸においては三崎付近に早く4 ~ 5 分の後、長井鎌倉等北上するに従って遅れて江ノ島付近にては約10 分後であった。…

2016年12月15日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 地震と津波防災

海底地滑りによる津波災害拡大

2011年3月11日の東日本大震災では、巨大津波が1.5万人を超える人命を奪い、東北地方太平洋沿岸に未曽有の災害をもたらした。このときの津波データを見ると、震源に近い仙台市周辺よりもかなり北に偏った岩手県陸前高田市から同宮古市にかけての三陸沿岸を並はずれて高い40メートルの津波が襲来したことがわかる。このような現象は、リアス式海岸の地形効果のみで説明できるのだろうか。 東京大学のゲラー教授ら国際チームは、津波の波形データを詳細に調べた。その結果、津波の観測データを説明するためには、震央に近い波源の他…

2011年12月22日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 地震と津波防災

東海地震について

図1:東海地方では2000年から2003年にかけてスロー地震が起こったAndo1975によれば、白鳳時代から現代まで南海トラフで起こったM7以上の巨大地震の記録が残っている。地震で動いた領域を土佐湾沖(A)、紀伊水道沖(B)、熊野灘沖(C)、遠州灘・駿河湾(D)に分けて議論すると、両者が同時に起こる場合と、東南海部分(CとD)が先に動き、南海部分(AとB)の地震が数年後に起こる二つのパターンがあることがわかる。 Table 1: 過去の南海トラフ巨大地震(Ando 1975)————…

2011年5月20日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 地震と津波防災

Wave Breaking Pyramid for Tsunami: 津波対策用波砕ピラミッド

津波対策用波砕ピラミッドWave Breaking Pyramid for Tsunami10mを超える津波に対して、どのような構造が有効だろうか?高さ10m以上の防潮堤を作ることはあまり現実的ではないと思う。波を止めることよりも、そのエネルギーを減殺することが重要である。そのためにはピラミッド構造を数重に構えるのがいいと思う。What structure will be effective for tsunami which exceeds 10m? I do not believe that i…

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著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

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