コンテンツへスキップ ナビゲーションに移動

戎崎の科学は一つ

  • ホーム
  • 著者プロフィール
  • 学而図書

2015年7月

  1. HOME
  2. 2015年7月
2015年7月30日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 書評

聖徳太子

 「聖徳太子」(梅原猛著)によると、聖徳太子が活躍した6世紀終わりから7世紀初めの東アジア情勢は、現在に似ているという。中国において、300年ぶりに南北中国を統一した巨大な隋帝国が出現した。隣国は、隋帝国の侵略に戦々恐々としていた。朝鮮半島には、高句麗、百済、新羅が鼎立(ていりつ)し、互いに軍事および外交において、しのぎを削っていた。 著者によると、聖徳太子は煬帝を深く尊敬していたに違いないという。実際、聖徳太子が派遣した遣隋使は「海西の菩薩天子」と煬帝のことを表現している。仏教を厚く信仰し、仏教に…

2015年7月20日 / 最終更新日時 : 2023年4月13日 戎崎 俊一 天体物理学

鉄隕石は地球型惑星形成領域の微惑星の破片である:Iron meteorite as remnants of planetesimals formed in the terrestrial planet region

鉄隕石は、化学的に分化した小惑星の中心にできた鉄の核が後に壊されてできたと考えられている。鉄隕石の母天体は、ほとんどの小惑星がある小惑星帯(2.5-3.5AU)にあったとこれまで考えられてきた。しかし、小惑星帯をよく調べてみても、そのような分化した天体やその破片があまり見つからない。また、鉄隕石の母天体が直径で20km以下だったことや、それらが普通コンドライトの母天体よりも1-2百万年先にできていたという観測事実をうまく説明できない。そこで、Bottke et al. 2006は、もう少し内側の地球…

2015年7月20日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 天体物理学

小惑星の化学組成分布から探る太陽系の進化:Solar System evolution from compositional mapping of the asteroid belt

DeMeo and Carry (2014)は、さまざまな型の小惑星の分布をそのサイズと太陽からの平均距離について調べてみた。最近になり、5km-1000kmにわたる小惑星の個々のスペクトルが測定されて分類が進んだ。小惑星は、表面が高温による変成を受けて揮発成分を失った「赤い」ものとあまりそれを受けていない「青い」ものに大きく分けられる。これまで、赤い小惑星は太陽に近い方に多く、青い小惑星は遠い方に多いと漠然と思われてきた。今回の詳細な検討の結果、かなりの数の青い小惑星が内帯に(2.0-2.5AU)…

2015年7月20日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 天体物理学

原始惑星系円盤における固体物質分布の間隙

Weidenschilling (1977)は現在の太陽系の惑星の分布とその中の鉄の質量を見積もった。それらの惑星の周りに分布させてみた。鉄は最も熱に強く、これらの惑星を作った原始惑星系円盤の固体成分の分布をそのまま反映している可能性が高い。その結果、全体としては半径の-1.5乗に比例する物質分布で近似できることが分かった。しかし、太陽からの距離が2天文単位と4天文単位の間に、まわりと比べて一桁から二けたぐらい物質量が少ない間隙があることが分かった。ここは、現在は火星と小惑星がある場所である。火星の…

2015年7月2日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 気候変動

火山噴火が引き起こす大飢饉、玄米備蓄のすすめ

 わが家では、有事に備えて玄米を備蓄している。そのきっかけは、火山噴火だった。2010年の春(3月から4月)にアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火した。欧州の主要空港が閉鎖され、多くの観光客が足止めを食ったので覚えている方も多いだろう。このとき、私が思い出したのは1782年から88年にかけて起こった天明の大飢饉(ききん)である。日本の近世では最大の飢饉だったといわれている。天明の飢饉も、同じアイスランドのラキ火山とそれに引き続くグリムスヴォトン火山の1783年から85年にかけての噴火が…

著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年から理化学研究所主任研究員、2024年より同研究所客員主管研究員。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)、『科学はひとつ』(学而図書)などがある。『科学はひとつ』は、「戎崎の科学は一つ」の記事を抜粋し、書下ろしの解説を加えて作られた。

検索

最近の投稿

  • 映画「狂武蔵(くるいむさし)」を見た 2025年4月29日
  • 能登半島の地震活動と流体上昇2025年4月17日
  • 地震発生の断層弁(水圧破砕)モデル2025年4月3日

カテゴリー

月別アーカイブ

  • ホーム
  • 著者プロフィール
  • プライバシーポリシー
  • 著作権
  • 免責事項
  • 学而図書

Copyright © 戎崎の科学は一つ All Rights Reserved.

Powered by WordPress with Lightning Theme & VK All in One Expansion Unit

MENU
  • ホーム
  • 著者プロフィール
  • 学而図書
PAGE TOP