鉄隕石は地球型惑星形成領域の微惑星の破片である:Iron meteorite as remnants of planetesimals formed in the terrestrial planet region
鉄隕石は、化学的に分化した小惑星の中心にできた鉄の核が後に壊されてできたと考えられている。鉄隕石の母天体は、ほとんどの小惑星がある小惑星帯(2.5-3.5AU)にあったとこれまで考えられてきた。しかし、小惑星帯をよく調べてみても、そのような分化した天体やその破片があまり見つからない。また、鉄隕石の母天体が直径で20km以下だったことや、それらが普通コンドライトの母天体よりも1-2百万年先にできていたという観測事実をうまく説明できない。そこで、Bottke et al. 2006は、もう少し内側の地球…
小惑星の化学組成分布から探る太陽系の進化:Solar System evolution from compositional mapping of the asteroid belt
DeMeo and Carry (2014)は、さまざまな型の小惑星の分布をそのサイズと太陽からの平均距離について調べてみた。最近になり、5km-1000kmにわたる小惑星の個々のスペクトルが測定されて分類が進んだ。小惑星は、表面が高温による変成を受けて揮発成分を失った「赤い」ものとあまりそれを受けていない「青い」ものに大きく分けられる。これまで、赤い小惑星は太陽に近い方に多く、青い小惑星は遠い方に多いと漠然と思われてきた。今回の詳細な検討の結果、かなりの数の青い小惑星が内帯に(2.0-2.5AU)…