原始惑星系円盤における固体物質分布の間隙

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Weidenschilling (1977)は現在の太陽系の惑星の分布とその中の鉄の質量を見積もった。それらの惑星の周りに分布させてみた。鉄は最も熱に強く、これらの惑星を作った原始惑星系円盤の固体成分の分布をそのまま反映している可能性が高い。その結果、全体としては半径の-1.5乗に比例する物質分布で近似できることが分かった。しかし、太陽からの距離が2天文単位と4天文単位の間に、まわりと比べて一桁から二けたぐらい物質量が少ない間隙があることが分かった。ここは、現在は火星と小惑星がある場所である。火星の質量が地球の質量の10分の一程度であること、小惑星体全体の質量が、2×10^21 kg と地球の1000分の一程度しかないことを反映していると思われる。このような固体物質の分布の間隙の存在は、惑星形成理論に強い制限を与える。

1) Weidenschilling, S.J., 1977, The distribution of mass in the
planetary system and solar nebula, Astrophysics and Space Science, 51, 153-158.