2015年1月6日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 音楽映画評 Now & Then, Carpenters カーペンターズのあまりに有名なアルバムを購入して聞いた。中学に入学すると同時に英語の勉強に必要という名目で買ってもらったラジカセ。英語はそっちのけでラジオから流れてくるポップミュージックに夢中になってしまった。このアルバムの発表は1973年6月とあるから、私が15歳を迎える年の初夏ということになる。確かに、天気の良い初夏の日曜日にラジオからイエスタディ・ワンスモアが聞こえたときのことを鮮明に覚えている気がする。その後数カ月にわたって、このアルバムの曲がヒットチャートを席巻した。このアルバムの真の特徴…
2015年1月6日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 音楽映画評 「風立ちぬ」を観た。 堀越二郎の一連の戦闘機開発の物語、堀辰雄の同名小説、そしてトーマス・マンの「魔の山」の要素を3:3:1ぐらいの割合で混ぜて、宮崎監督の夢と想像力で固めてできた史上初(たぶん)の純文学アニメ作品である。技術者・開発者として面白い挿話はいたるところにあった。サバの骨の形が美しいという二郎の感覚は正しい。流体の抵抗がすべてを決める水中にすむ魚の形と飛行機の揚力を生む翼断面の形が同じなのはたぶん理由がある。独自の工夫で無様なあひるの子を作った亀(二郎)の勇気が大事だ。その失敗の経験は次につながる。二郎は、飛…