2015年1月7日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 音楽映画評 映画評 ドラゴンキングダム アクション映画列伝(3)2008年公開の「ドラゴンキングダム」はジャッキー・チェンとジェット・リーの二大カンフースターが初共演のカンフー映画だ。とにかく二人のカンフーが素晴らしく、格闘シーンは最高クラスのものが連続。二人の体術とワイヤープレーが高いレベルで融合している。ジャッキー・チェンの酔拳も健在。クライマックスシーンは、ワイヤープレイと特撮に傾きすぎだが、それはそれで楽しめた。ロードオブザリングにオマージュした部分もある。最後の方に出てきた孫悟空が、香取信吾そっくりなのは笑えた。主人公のジェイソ…
2015年1月7日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 音楽映画評 映画評 爆裂都市 BURST CITY アクション映画列伝(5)爆裂都市 BURST CITYは、1982年に公開された日本映画である。近未来を舞台としたSFアクション映画で、石井聰亙が監督をしている。暴力とパンク・ロックのパフォーマンスがないまぜになった独特の世界が描かれる。大学を卒業したばかりの監督も、出演したロックバンド(ロッカーズ、スターリン、泉谷しげるなど)も、若さ全開で最初から最後まで走りきったような映画だ。殺陣もシナリオも荒削り(実は詳細は覚えていない)だが、反骨のエネルギーがほとばしっていた。私は、この30年で日本で作られ…
2015年1月7日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 音楽映画評 映画評 眠れぬ夜のために アクション映画列伝(6)「眠れぬ夜のために」は1985年公開の作品である。映画は、不眠症で仕事もうまくいかず、妻の浮気も目撃した不幸な主人公が、どうしても眠れない苦しさに車で街に出るところから始まる。行きずりの美女(ミシェル・ファイファー扮するディアナ)を助けたばっかりに、国際的陰謀に巻き込まれ、飛び交う銃弾をかいくぐり、カーチェイスで逃走し、殺し屋との格闘するといった大騒ぎの一晩を過ごす。騒ぎもひと段落し、疲れてぐっすりと眠る主人公。はっと目覚めるともう陽光あふれる朝。あれ、昨日の騒ぎは夢だったか…
2015年1月7日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 音楽映画評 映画評 七人の侍 「七人の侍」は、1954年に公開された黒沢映画の最高峰である。日本と世界の映画の金字塔であることは言うまでもない。野武士との最終決戦。豪雨の中、志村喬演じる勘兵衛が仁王立ちして13騎の野武士を迎え撃つ。近づく馬蹄のとどろき、勘兵衛が弓を構える・・・・。この後の雨の中泥まみれの死闘こそ、映画格闘シーンの白眉である。…
2015年1月7日 / 最終更新日時 : 2023年4月18日 戎崎 俊一 書評 同時代史 タキュトス著 西暦68年、暴君として有名なネロが自殺した。それは帝政ローマを全土を覆う泥沼の内戦の序曲でしかなかった。各地の総督がそれぞれの軍隊に担がれて、皇帝になったからである。それらは、ガルバ(ヒスパニア)、ウッテリウス(ゲルマニア)、ウェスパニアシウス(エジプト)である。軍隊では、下剋上が進行していた。将軍が権威を失って兵士のご機嫌をうかがっていた。ボーナスや利権を約束しなければ、兵士により弾劾されて将軍職を解かれ、非難され、処刑された。次に立つ者も同様の道をたどる。当然、軍隊による略奪と私的報復が横行し、…
2015年1月7日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 書評 チベット旅行記 河口慧海著 漢訳仏典の疑義を糺すため、より原典に近いチベットの仏典を得ることが必要と判断し、当時厳重な鎖国をしくチベットへの入国を決心する。海路カルカッタへつき、万全の準備(語学など)の後、ヒマラヤからチベット国境を超える。あらゆる困難を超えて目的を果たした男。100年前にこんな日本人がいた。…
2015年1月7日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 書評 イブン・ハルドゥーン著「歴史序説3」 この巻はビジネス論と学問論前半。いくつか抜き書きする。極めて実践的。きっとイスラム精神の神髄が含まれているのだろう。「能力がないが信頼できる人」と「能力はあるが信頼できない人」しかいない場合、どちらを雇う方が好ましいか?いずれもそれぞれ利点はあるが、結局は信頼できないが能力がある人を雇う方がよい。能力の点では損害を被ることはなかろうと期待できるし不実については、できるだけ注意して防ぐことができる。最も良い教育法は算術から始めるべきである、なぜなら、これは明晰な知識と組織的な証明に関係するからで、一般…