2022年10月18日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 気候変動 日本への水田稲作の伝搬: 環東シナ海文化圏仮説 日本人は、温暖湿潤な日本列島に居住し、代々水田で稲を作って暮らしてきた。その影響は、日本人の生活と文化に深く根差している。水田稲作自身は約10000年前ごろ、中国の長江流域で始まった。従来,水田稲作の伝搬経路に関しては、長江流域で始まった水田稲作が北上して山東半島まで到達し、その後遼東半島,韓半島を経由して日本に到達したという仮説(宮川2017;以後宮川説と呼ぶ)が有力とされてきた。しかし、1) 弥生時代の開始時期が500年早まった、2) 4.2kyrイベントによる寒冷化で水田稲作の北限が南下した、…
2022年10月13日 / 最終更新日時 : 2023年8月9日 戎崎 俊一 地震と津波防災 水中核爆発による津波について ロシアが開発中の核魚雷ポセイドン(約5Mt)による津波のことが巷で話題になっているようなので、定量的に評価してみた。水中核爆発の場合、発生したエネルギーは大部分水の気化に使われる。水が蒸発で失われる半径Rは、R=(3E/4πU)^(1/3)=78 [m](E/TNTMt)^(1/3)と評価できる。ここで、E は爆発エネルギー、U=2.5×10^9 J/m^3は、1立方メートルの水を蒸発するのに必要な気化エネルギーである。このサイズ泡ができ、それが上空に抜けると、それを埋め合わせるように周りから水が流…