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戎崎の科学は一つ

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2015年8月

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2015年8月27日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

ウナギ幼生の比重:Specific gravity of eel larvae

図1:ウナギのレプトケファルスの体表全体に分布する塩類細胞ウナギの幼生(レプトケファルス)の比重は1.019-1.025であり、比重が1.023-1.024(22度―26度)の海水に対して浮力を持っている。これは海生生物で最も低い値である(Tsukamoto et al. 2009)。ウナギのレプトケファルスの体表全体に、塩類細胞が分布して、体内からNa+とCl-などの塩類を排出し、体内の浸透圧を低く保っている(図1; Sasai et al. 1998)。ウナギの20-40mmサイズのレプトケファ…

2015年8月26日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

硬骨魚類の海水適応ホルモンを探る:Exploring novel hormones essential for seawater adaptation in teleost fish

海生の魚類は高い浸透圧を持つ海水の中で脱水してしまうが、腸で吸収された過剰なイオン、特にNa+とCl-を排泄する能力を持っていれば、周りの海水を飲んでバランスを保つことができる。このような耐塩性機構には、ホルモンが重要な役割を果たしている。比較ゲノム学の研究から、硬骨魚類で、Na+を放出し、血管降圧性の性質を持つホルモンが多様に発達していることが分かってきた(Takei et al. 2008)。これらのホルモンは、硬骨魚類の海水での生存と水中における低い動脈圧の維持に重要である。海生のメクラウナギ…

2015年8月11日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 天体物理学

コンドリュールの形成条件: The formation conditions of Chondrules

コンドリュールはだいたいミリメートルぐらいの大きさの主成分がケイ酸の球で、コンドライトと言われる原始的な隕石の主成分である。それらは、太陽系の中の内側部分の最も激しい現象の結果、溶融液滴として形成されたと考えられている。コンドリュールの形成条件やあまりよくわかっていない。Alexander et al. (2008)は、揮発性の元素であるナトリウムの濃度がコンドリュールの形成の間あまり変わっていないことを見出した。ナトリウムの蒸発を食い止めるためには、これまで考えたよりも桁違いに固体密度が高い領域で…

2015年8月10日 / 最終更新日時 : 2023年4月13日 戎崎 俊一 天体物理学

小惑星ベスタにおける物質分化: Material Differentiation in Asteroid Vesta 4

小惑星ベスタは、HED(hawardite, eucrite, and diogenite)玄武岩質エイコンドライト隕石の母天体と考えられている。これらの玄武岩質隕石は、Calcium-Alminium rich Inclusion (CAI)の析出(太陽系形成の開始時間として一般に使われている)から300万年以内に分化した母天体から形成されたと考えられている。この形成年代は、巨大惑星の形成と初期進化の時期と一致しており、その軌道の大規模な再構成と移動の時期にすでに母天体が存在していたことになる。探…

2015年8月10日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 種の起源と生物進化

カライワシ上目は単系統: Elopomorph is monophyly

カライワシ上目には、ウナギ目、カライワシ目、ソトイワシ目、フウセンウナギ目などの様々な形の魚が含まれている。これらカワライワシ上目の魚は、幼生期にレプトケファルス(葉形仔魚)と呼ばれる独特の幼生期を経て成長する点で共通しているが、成魚の形や生活形態はさまざまで、これらが単系統なのかどうかについては異論があった。Inoue et al. 2004は、12種のたんぱく質コード遺伝子、22種のトランスファーRNA遺伝子、二種類のリボゾーム遺伝子のミトコンドリアのDNA配列を用いて系統樹を作製した。でき上っ…

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著者プロフィール

戎崎 俊一(えびすざき・としかず)
1958年山口県生まれ。大阪大学理学部物理学科を卒業後、東京大学理学系研究科天文学専攻に進学。NASA研究員、神戸大学助手、東京大学助手、同助教授を経て、1995年に理化学研究所主任研究員となり、現在に至る。天体物理学と計算科学を中心にそれらを含んだ学際研究に取り組み、分裂しすぎた諸科学の再統合を志向している。著者に『ゼミナール宇宙科学』(東京大学出版会)、訳書に『銀河の世界』(エドウィン・ハッブル著、岩波書店)、『時間・空間・重力 相対論的世界への旅』(ジョン・アーチボルト・フィーラー著、東京化学同人)、『宇宙創世記 ビッグバン・ゆらぎ・暗黒物質』(ジョセフ・シルク著、東京化学同人)などがある。

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