カライワシ上目は単系統: Elopomorph is monophyly
カライワシ上目には、ウナギ目、カライワシ目、ソトイワシ目、フウセンウナギ目などの様々な形の魚が含まれている。これらカワライワシ上目の魚は、幼生期にレプトケファルス(葉形仔魚)と呼ばれる独特の幼生期を経て成長する点で共通しているが、成魚の形や生活形態はさまざまで、これらが単系統なのかどうかについては異論があった。
Inoue et al. 2004は、12種のたんぱく質コード遺伝子、22種のトランスファーRNA遺伝子、二種類のリボゾーム遺伝子のミトコンドリアのDNA配列を用いて系統樹を作製した。でき上った系統樹は、レプトケファルスがカライワシ上目の子孫共有形質であることを一致して示していた。つまり、カライワシ上目は予想に反し、単系統であることがはっきりした。幼生がフォーク状の尻鰭をもつカライワシ目とソトイワシ目が祖先形で、幼生がフィラメント型と丸型の尻鰭を持つフウセンウナギ目とウナギ目が後から分岐した近縁種であることも分かった。
Inoue, J.G. et al. 2004, Mitogenomic evidence for the monophly of elpomorph fishes (Teleostei) and evolutionary origin of the leptocephalus larva, Molecular Phylogenetics and Evolution, 32, 274-286.