植物による放射性セシウム汚染土壌の浄化について

関東各地で牧草などから高濃度の放射線が検出されている。これは、土壌に吸収された放射性のヨウ素とセシウムが、植物体に濃集した結果と考えられる。これらの元素を濃集する植物の性質を使ってできるだけ速やかに土壌の浄化を試みるべきである。特に、半減期が30年のセシウム137の除去が必要である。

チェルノブイリ近辺の汚染土壌を使った実験の報告(1)を読むと、植物による浄化の効果は、早ければ早いほど高いことがわかる。特にセシウムは、土壌に強く吸着されてしまうと、植物に吸収されなくなる。それまで(最初の二年間)に、できるだけ土壌中のセシウムを減らす努力が肝要と思われる。特にこの夏期の活動が今後の成否を分けると思われる。

まずは、放射性物質が土壌表面にとどまっている間に、表面の数センチを剥ぐのが効果が高いとされている。その後に、セシウムの吸収能力が高い植物を植える。チェルノブイリ近辺の土壌を使った実験では、アマラサンス、キクイモ、ヒマワリなどが有効であることが報告されている(1作あたり1000-3000 Bq/m^2の除去の実績がある)。実を結ぶ前に、刈って除去することを繰り返せば、土壌はかなり浄化されると期待される。汚染がひどくない場所では、牧草を、繰り返し刈って除去するだけでも、効果を期待できる。
二次的な汚染を防ぐために、放射線を含んだ植物体は、雨が当たらないように保存する。省力化のために、ロールベールラップのシステムを利用できるかもしれない。また、焼却する場合は放射能除去フィルターを持った特別な焼却炉で行う。

セシウムはカリウムとよく似た性質を持っている(2)。セシウムの吸収を促進させるためには、土壌中のカリウム濃度を少なめ(0.3mM以下)にする必要がある。また、刈り入れの前にアンモニアイオンを含む肥料を与え、雨を待って一週間してから刈るようにすると、植物によるセシウム吸収を高める効果があるとされている。アンモニアイオンがセシウムイオンを置換するからである。

Reference
1) Phytoremediation of Radiocesium-Contaminated Soil in the Vicinity of Chernobyl, Ukraine
S. Dushenkov, A. Mikaeev, A. Prokhnevsky, M. Ruchko, and Orochinsky
Environ. Sci. Technol. 1999, 33, 469-475

2) Plant uptake of radiocaesium: a review of mechanisms, regulation and application
Y-G. Zhu and E. Smolders
Environ. Sci. Technol. 1999, 33, 469-475