2019年4月27日 / 最終更新日時 : 2023年4月10日 戎崎 俊一 天体物理学 超高精度の時計が切り開く未来 海底・宇宙で展開、自然災害の予兆把握 私の同僚の香取秀俊・理化学研究所主任研究員(東京大学教授との兼任)は相対精度が10の18乗に及ぶ超高精度の時計を開発している。これは約1000個の原子(セシウムやストロンチウム)をレーザーで作った格子状の井戸の中に閉じ込めて冷却し、高統計・高精度でそのスペクトル線を測定する装置で、光格子時計といわれている。 一般相対性理論によると、重力ポテンシャルの中では時間の進みが遅い。つまり、地上でも低い場所の方が高い場所よりほんのちょっと時の進みが遅いことになる。そこで、東京都文京区にある東大と埼玉県和光市に…