2015年1月6日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 書評 歴史序説第4巻 イブン・ハルドゥーン著 この巻は学問論、教育論。まずは、占星術と錬金術の無用性と有害性が述べられる。例えば、占星術については、「このようにして占星術の無価値なことはイスラーム法から見ても明らかであり、その結果の薄弱さは理性の点から見ても明らかである。その上占星術は人間の文明に害を及ぼす。それは、たまたま占星術による判断が説明できないようなあり方で真実となる場合、一般の人々の信仰を傷つける。無知な人々はそれを真に受け、そうではないのに、他の星占いの判断もすべて真実に違いないと想像する。その結果、無知な輩は創造者たる神以外のも…
2015年1月6日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 書評 馬と進化、G.G.シンプソン著/長谷川善和/原田俊治訳 原著は1951年出版。前半は、家畜馬の詳細な記述。当時の人、特にアメリカ人は馬が本当に好きだったとわかる。後半は馬は進化についての記述。馬は進化の道筋が北米中南部の化石から詳細に解明され、ダーウィンのいう漸進的な進化の典型とされている。草食が可能な草原性の種の誕生が彼らの飛躍をもたらした。気候変動による森林/草原の膨張/収縮が大きな役割を果たしたに違いない。それはアマゾンの鳥の分布にも色濃く表れている。…
2015年1月6日 / 最終更新日時 : 2023年4月7日 戎崎 俊一 書評 歴史序説、イブン・ハルドゥーン著、第二巻 王朝と文明の発達と衰退には一定の法則がある。600年の時を超えて現在の政治状況にも適用できそうな強靭な歴史学、政治論である。明晰で実証主義的な論理構築。チムールを魅了し、歴史西洋歴史学の起点とされた理由もよくわかる。むしろ、その後の歴史学は、ここから一歩も進んでいないのかも知れない。…